2020年 ミャンマーの労働事情

2020年12月4日 報告

 国際労働財団(JILAF)では、ラオス・ミャンマーチームとしてラオス、ミャンマーの労働組合役員を招へいし、労働を取り巻く最新情報の共有や日本の労働組合の特徴、生産性運動や雇用安定の取り組みなどについて学ぶためのプログラムを用意した。しかし、新型コロナウイルス禍の影響により来日交流が困難となり、「オンラインプログラム」による取り組みとなったため、従来の「海外の労働事情を聴く会」も開催が不可能となった。
 以下は、ナショナルセンターや参加者からの報告資料等を参考にまとめたものである。

ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)

Nay Lin
ハライン地域建設労働組合 書記長

Han Ni Oo
グレートメンミャンマー衣料労働組合 委員長

Zu Zu Yar Khaing
グローバルファッション工場労働組合 書記長

Ko Ko Zaw
エスリート衣料工場労働組合 財務担当者

Min Aung
ミャンマーエネルギー労働者連盟 事務局長

 

1.はじめに

 ミャンマーの人口は約5100万人、その内生産年齢人口は約3500万人、労働力人口は約2300万人である。産業別人口構成では農業が約50%を占め、次いでサービス産業約30%、鉱工業の順となっており、まだまだ農業の比重が大きい。現在のコロナ禍では、ミャンマーの陽性患者の約30%が工場労働者で、そのうち、寮など複数人で共に暮らしている者の感染は約7%を占める。工場閉鎖、自宅待機となって賃金が支払われないなどの問題も発生している。

2.労働組合が直面している課題

 ミャンマーでは2011年に労働組織法が制定され、労働組合が合法化された。しかし、今日においても労働法の内容をほとんどの労働者が理解していないというのが現状である。当該労働法においては、労働者に対する教育訓練を労働組合以外が実施することは想定されていない。現在、縫製等一部の産業においては労働組合を結成し登録する際の政府申請が、以前と比べて容易になっている傾向があるが、その一方で経営の妨げになるとの認識から、経営者からの解雇や差別的対応等の圧力を受ける事例も散見されている。そのような状況で企業労働者の多くは、労働組合に対する理解が乏しく、経営者からの圧力も恐れる結果、なかなか組織化が進ず、現在、ミャンマーの労働者数約2,300万人の中で、組合員は0.01%程度しかいない。
 この状況を打開するため、労働組合が主導し、労働法制や労働者の権利等についての教育訓練事業をより強化しているところである。