2018年 マレーシアの労働事情

2018年5月24日 講演録

マレーシア労働組合会議(MTUC)

クリナベネ・サイナサン
KPPTPTINB労働組合 教育局執行委員

ヴェネッサ・ング・ファン・チュウ
ゲンティン・マレーシア労働組合 副執行委員長

 

1.労働事情全般

  2016年 2017年 2018年(見通し)
実質GDP(%)
(出典元)
4.22%
(マレーシアHRウェブサイト)
5.43%
(マレーシアHRウェブサイト)
4.7%
(マレーシアHRウェブサイト)
物価上昇率(%)
(出典元)
2.09%
(マレーシアHRウェブサイト)
3.82%
(マレーシアHRウェブサイト)
2.9%
(マレーシアHRウェブサイト)
最低賃金
(時間額・日額・月額)
(出典元)
□時間(4.60~5)
□日額(RM37~38)
□月額(RM900)
(半島マレーシアの場合サバ州とサラワク州の場合:RM800)
(マレーシアHRウェブサイト)
□時間(RM5.2~5.5)
□日額(RM41~42)
□月額(RM1000)
(半島マレーシアの場合サバ州とサラワク州の場合:RM920)
(マレーシアHRウェブサイト)
□時間(RM5.2~5.5)
□日額(RM41~42)
□月額(RM1000)
(半島マレーシアの場合サバ州とサラワク州の場合:RM920)*
(マレーシアHRウェブサイト)
労使紛争件数
(出典元)
300
(   )
190
(   )
 
(   )
失業率
(出典元)
3.4%
(マレーシアHRウェブサイト)
3.3%
(マレーシアHRウェブサイト)
3.3%
(マレーシアHRウェブサイト)
法定労働時間
(出典元)
8~9時間/日
(労働法と団体協約)
所定労働時間内で就労している場合は40時間/週、交代勤務の場合は48時間/週
(労働法と団体協約)
1日8時間以上の労働には残業手当が支払われる。残業手当は労働時間と労働日数を元に計算される。1.5倍
(労働法と団体協約)
祝祭日14日に加え、年次有給休暇20日が付与。
祝祭日労働は、
日給(RMx1.5-2.0/時間)が支払われる。2倍
(労働法と団体協約)

通貨名:RM(リンギット)  1RM=約0.25173ドル(2018年5月18日現在)

*新しい最低賃金は2018年総選挙後に発表予定。
 MTUCは6月に予定されている最低賃金の審議に先立ち、マレーシアの最低賃金をRM1,500に引き上げるよう求めている。(J.ソロモンMTUC事務局長)

2.労働法制、社会保障の特徴

 特徴的なものは、社会保障の基本である従業員積立基金(EPF)で、退職時に支給される資金を保障するための制度で、すべての労働者を対象としている。
 もう1つは1955年雇用法で、これは文書による雇用契約の基となる。この法律は国王誕生日、スルタンあるいは州知事誕生日、労働者の日などの祝祭日や有給休暇の内容も定めている。

3.労働組合の課題

 マレーシア全体で労働組合数、組合員数が減少している。労働人口1,450万人の内、組合員は約87万5千人で、組織率は6%にすぎない。民間部門の組合員数の減少が著しく、2009年に433,702人だったのが、2017年には359,206人にまで減少した。
 マレーシアの多くの労働組合は労働者や労働組合の権利が侵害された場合でも、デモ抗議やストライキを行わない。代わりに、政府当局に対して苦情を申し立て、裁判に持ち込む場合もあり、解決に多くの時間を要する結果となっている。