2018年 ラオスの労働事情

2018年6月28日 講演録

ラオス労働組合連盟(LFTU)
ヴォングデアン チャンツァボウクスェング(Mr. Vongdeuan Chanthaboutxieng)

〔セコン県労働組合 会長〕

オウドネ ケオ アムフォン(Mr.Oudone Keo Amphone)
〔ルアンナムター県労働組合 総務局長〕

ヴィエングサバンヤ ナオトウヨングシェング (Mr.Viengsavanhya Naotouyongxeng)
〔ラオス労働組合連盟(LFTU)監査部総務局次長〕

ラムフィエン サイ オウドム(Ms.Lamphien Sai Oudom)
〔ラオス労働組合連盟(LFTU)労働者保護部技術員〕

スファヴァン ソウスィマス(Ms.Suphavan Southimath)
〔ラオス労働組合連盟(LFTU)国際部技術員〕

ラットサミー フォネビレー(Mr.Latsamy Phonevilay)
〔ラオス労働組合連盟(LFTU)組織部技術員〕

 

1.労働情勢

  2016年度 2017年度 2018年度(見通し)
実質GDP 7.5~8% 7.8~8% 6.8~7%
最低賃金
〔通貨:ラオスキープ〕
時間額:4,326
日 額:34,615
月 額:900,000
時間額:4,326
日 額:34,615
月 額:900,000
時間額:5,228
日 額:42,307
月 額:1,100,000
労使紛争件数 92件 75件 53件
失業率 4% 2% 2%

注)1ラオスキープ=約0.000119ドル(2018年6月14日現在)

2.ラオスの労働法制・社会保障の特徴

 1994年に労働法(日本の労働基準法に該当)が制定され、これまで3回改正を行っており、直近では2014年に改正されている。なお、2018年3月に改正労働組合法が公布された。改正前の労働組合法では労働組合の設立規定の定めは無かったが、改正後は、10名以上の労働者がいる場合、労働組合の設置又は労働者代表の選出が規定された。
 社会保障制度として、使用者、労働者、家族、任意加入等の保険があり、保険料は公務セクターが給与の16.5%、民間セクターが給与の11.5%である。保険料の労使の負担割合は、民間の場合で労働者が5.5%、使用者が6.0%となっている。

3.労働組合の役割と直面している課題

(1)労働組合の役割

ラオスの労働組合は労働者の代表組織であり、①労働・生産制度の促進活動、②労働法に基づいて労働者の権利などの確保、③労働者の労働環境や労働条件の確認・調査・監督、などの役割を担っている。また、ラオスの労働組合は法に基づいて、国会又は議員などの活動を監視する立場でもある。なお、ラオス労働組合連盟(LFTU)の会長は国会議員でもある。
 労働組合は、全国を①中央、②県や関係省庁、③市や産業別など地方の組織、④地域ユニオンや各会社の労働組合の4段階に分割し、それぞれの役割を担っている。

(2)労働組合の重要課題と取り組み

 当面する重要課題は、①公務セクターおよび民間セクターにおける労働組合の組織化、②出稼ぎ労働者の管理と監視、③最低賃金の交渉、である。 なお、民間セクターと多国籍企業における労働問題として、雇用契約が1~3年と有期であること、低賃金でかつ社会保障の対象外であること、組合の無い企業が多いこと、こうした事情から転職を望む人が多いこと、などが挙げられる。
 こうした中で労働組合は、①工場における労働組合組織の能力向上、労使協調・労使協力体制の確立、②政労使の協調により雇用契約状況や出稼ぎ労働者に関する情報収集、③三者会議を開催し、地方における労働者の所得と生活費の評価を行い、政府に対して最低賃金の引き上げを要求する、などの取り組みを展開している。