2018年 ネパールの労働事情

2018年5月24日 講演録

ネパール労働組合会議(NTUC)

ダルマ・ラジャ・バンドライ
ネパール運輸交通労働組合ヤタヤット支部 執行委員長

 

1.労働情勢全般

  2016年 2017年 2018年(見通し)
実質GDP(%)
(出典元)
0.4
https://knoema.com/atlas/Nepal/Real-GDP-growth
7.5
(   )
 
(   )
物価上昇率(%)
(出典元)
9.93
www.statista.com/statistics/422594/inflation-rate-in-nepal/
4.48
(   )
6
(   )
最低賃金
(時間額・日額・月額)
(出典元)
□時間(   )
□日額(Rs.395)
□月額(Rs.9,700)
(Nepal Gazette 2072)
□時間(   )
□日額(Rs.395)
□月額(Rs.9,700)
   (   )
年2回、最低賃金委員会が最低賃金を修正し、今年も新しい最低賃金を決定予定。
労使紛争件数
(出典元)
 
(   )
 
(   )
 
(   )
失業率
(出典元)
3.4
https://tradingeconomics.com/nepal/unemployment-rate
3.2
(   )
3.6
(   )
法定労働時間
(出典元)
8時間/日 48時間/週 時間外/割増率*
1.5倍
休日/割増率

通貨名:ネパールルピー(NPR)  1NPR通貨=約0.00919ドル(2018年5月23日現在)

*労働時間が1日8時間、週48時間を超える場合は、50%の割増賃金が支払われる。
 ただし、時間外労働は1日4時間、週に20時間を超えてはならない。

2.労働法制、社会保障の特徴

 現在、ネパール連邦民主共和国となって新しい憲法が発布されたところで、国家体制も新しくなっている。NTUCなどナショナルセンターの協力を得て、政府は2017年に労働法を改正し、最近、社会保障法を制定した。現在、法律の細則を起草している段階である。

3.労働組合の直面する課題

 第一の課題はインフォーマル経済の拡大で、労働者の95%がここに含まれる。次は労働組合間の信頼関係が薄く、調和が取れていないこと、政情不安が挙げられる。他にも、御用組合というか、会社の言うなりの組合が増加していること、失業と不完全雇用が多くなっていること、貧困の拡大と識字率の低さ、熟練労働者の不足、労働関連法の適用率が低いことなどがある。
 NTUCは2013年第5回全国大会時点で、25加盟組織、組合員数約38万人にのぼる。加盟組織の部門は、サービス、製造、インフォーマル・自営業となっている。最近取り組んでいる課題は、児童労働、奴隷労働、強制労働など不当な労働慣行の排除、職場の安全衛生の推進、労働者教育、出稼ぎ労働者の権利保護と諸問題への対応などがある。

4.課題解決のための取組み

 まず利害関係者、政府、国会議員、ネパール商工会議所などとの社会対話を促進している。新労働法、その細則の設定と法律の適切な執行を求めてロビー活動を実施している。
 ナショナルセンター間の連携をはかるため、協働調整委員会(JTUCC)を設立し、労働者の声を1つにして発言力、影響力を高める活動を行っている。

5.多国籍企業

 政府の策定した1980年から1985年の第6次計画の中で、産業の成長にとって外国の投資と技術移転が必要であると示した。現在は第10次計画に入っていて、新技術の開発による産業成長を奨励すると同時に、地域バランスを実現する産業、国として比較優位を保てる分野に外国企業の投資を進めて行く方針となった。