2018年 ウズベキスタンの労働事情

2018年8月30日 講演録

ウズベキスタン労働組合連合(TUFU)
コズィミ アタボエブ(Mr. Kozim Ataboev)
シュクラット クルバノブ(Mr. Shukhrat Kurbanov)
グルノザ トシュプラトバ(Ms. Gulnoza Toshpulatova)

 

1.ウズベキスタンの労働情勢

  2016年 2017年 2018年(見通し)
実質GDP(%)
(出典元)
7.8%
(ウズベキスタン情報庁、ウズベキスタン共和国内閣)
5.3%
(ウズベキスタン
国家統計委員会)
5.1%
(ウズベキスタン
国家統計委員会)
物価上昇率(%)
(出典元)
5.6%
(ウズベキスタン情報庁、消費セクター)
14.4%
(ウズベキスタン
国家統計委員会)
12-14%
(ウズベキスタン
共和国財務省)
最低賃金
(時間額・日額・月額)
(出典元)
月額(142,775スム
(44.1$))
(2016年8月22日付
大統領令第4822号)
月額(172,240スム
(21.3$))
(2017年11月20日付大統領令第5245号)
月額(184,300スム
(23.5$))
(2018年7月2日付大統領令第5469号 )
労使紛争件数
(出典元)
(ウズベキスタン
共和国労働法第261条)
-
-
失業率
(出典元)
5.2%
(ウズベキスタン
国家統計委員会)
5.8%
(ウズベキスタン
国家統計委員会)
5.8%
(ウズベキスタン
国家統計委員会)
法定労働時間
(出典元)
8時間/日
( ウズベキスタン
共和国労働法
第115条)
40時間/週
(ウズベキスタン共和国労働法第115条)
時間外/割増率
120時間/年
(ウズベキスタン共和国労働法第125条)
休日/割増率
労働協約による
(ウズベキスタン共和国労働法第130条)
通貨名:スム               7,846スム=約1ドル(2018年7月3日現在)

2.ウズベキスタンの労働法制・社会保障の特徴

 1992年12月8日に採択されたウズベキスタン共和国憲法によると、ウズベキスタンは主権民主共和国と規定されている。国家の最高代表機関は、立法権を行使するアリー・マジュリス(最高会議)である。アリー・マジュリスの議員の任期は5年である。
 大統領は、国家及び行政権の長であり、同時にウズベキスタン共和国内閣の議長で、任期は5年である。社会的保護のメカニズムは、我が国の発展の特徴と先進的な外国の経験を考慮して策定された法規範体系に基づいている。
 労働組合組織は、職業活動の正常な環境とそれに対する報酬を受け取ることができるようにすることを主目的とする、国家の対策の実施を積極的に支援している。

 労働法規は労働法、ウズベキスタン共和国の法律、アリー・マジュリスの決定、ウズベキスタン共和国大統領令、その他の国家権力の代表・執行機関が自らの権限の範囲内で採択する決定からなる。また、共和国憲法は、労働の利用原則を定めている。労働法は労使関係を調整する規定である。労働法のテキストは、労働者に対する最も数多くの社会保障を含んでいる。

 以下の、労働に関する複数のウズベキスタン共和国法がある。「国民雇用法」、「労働安全衛生法」、「農家法」、「家族農業法」、「リクルート活動法」などである。

 法律の下にある規定は、様々な大統領令や決定、政令、指示書、様々な条例などである。労働法規は、所有形態、活動の種類や産業部門、またすべての企業、機関、組織の労働者、また以下の分野で自然人と労働契約を結びそれに従って働いている人の労使関係を調整している。

  • 就職斡旋及び雇用
  • 職業養成及び再教育、職能向上
  • 労働時間、休息時間、賃金及びその標準額設定
  • 労働の規律及び安全衛生
  • 当事者の物的責任
  • 監督及び管理
  • 労使紛争の解決

 また、団体交渉の実施、労働協約や合意書の締結を行う社会的パートナーシップが定められている。労働権の基本原則とは、以下である。

  • 労働の自由
  • 強制労働の禁止
  • 組織運営への労働者の参加
  • 労働者の強制保険加入
  • 適正な労働条件
  • 差別のない労働報酬及び定められた最低賃金額以上の賃金
  • 労働者の権利の平等
  • 失業からの保護
  • 自らの利益を守るための雇用者の団結権

 労働法では、社会保障に複数の章が割かれている。

1.労働権の基礎である労働契約の存在

 労働管理の特徴リストには以下が含まれる:制限、特典及び作られる労働条件。その際、以下の労働権保護手段がとられる。

  • 自衛
  • 労働組合結成に際して
  • 国家による管理及び監視
  • 法廷での保護

 労働法規およびその他の労働権の基準を含む規定に違反した場合の責任を取るのは、法律に従い、指導者及びその他組織の公務員である。

2.休息の提供(第8章)

  • 好ましくない労働条件下での仕事や、仕事の特殊性(第137条)
  • 過酷で良好でない自然や気候条件下の仕事(第138章)を理由とする
  • 年一度の追加休暇(第136条)

3.労働者に対する適正賃金(第9章)

  • 賃金額の決定(第153条)
  • 賃金保障(154条)
  • 最低賃金額(第155条)
  • 特殊な条件下での仕事に対する賃金増額(第158~160条)
  • 時間外や休日祝日労働(第157条)

4.労働安全衛生規定の履行(第8章)

  • 労働者の労働条件を最大限安全にするための対策実施(第21~223条)
  • 疾病の個別保護及び防止手段の提供(第217~218条)
  • 労働者が受けた損害の賠償(第189条)
  • 労働者の健康損害の補償(第190条)
  • 財産損害(第196条)

5.一部カテゴリーの労働者向けの追加的保障及び特恵(第14章)

  • 妊娠している及び子供のいる女性(第224~226条)
  • 女性の夜間、時間外、休日祝日労働と出張の制限(第228条)

6.青年向けの追加的補償

  • 18歳以下の労働者を採用する際の保障(第239条)

 共和国では、両親と労働組合組織の同意があれば14歳から採用可能である。未成年者は16歳以上であれば、失業者と認定される権利がある。
 国家は、一人親や多くの子を持つ親、14歳以下の子供や障害児を抱える親、中等特別職業教育施設を卒業した青年、大学卒業者、国家補助を受けて学んだ者、ウズベキスタン共和国軍人の期限付き兵役を終了した者、障害者、年金受給前年齢者、裁判所の決定を受けた刑事施設出所者あるいは強制治療を受けた者、人身売買の被害者などの社会的保護を必要とする者、求職で困難を抱える者、労働市場で平等な下競争する能力のない者向けに、追加的な雇用創出により追加的な保障をする(2008年8月20日付ウズベキスタン共和国内閣決定第186号)。

7.労使紛争(第15章)

  • 労使紛争委員会(第262条)

 労働の権利関係の主体間の個別の紛争を解決出来なかった者は、通常、裁判所での審理を受けることになる。
 このようにして、労働組合は社会的パートナーと一緒に、尊厳ある安全な労働を求めている。これは、何よりもまず適正な賃金と有効な雇用である。そのために、社会的パートナーシップの可能性と有効な労働条件の形成を幅広く活用する。また、特別な注意を社会保険や社会・年金保障、社会的サービス制度の発展に払っている。そして、まとめると、労働組合は、すべての人に尊厳ある労働に基づく尊厳ある生活を保障する経済を目指している。