2019年 ザンビアの労働事情

2019年8月29日 講演録

ザンビア労働組合会議(ZCTU)
ミシェロ マンゴラ チジュカ(Mr. Michelo Mangola Chizyuka)
観光・旅行労働組合 会長
マリー ムレンガ(Ms. Mary Mulenga)
ザンビア全国教員労組 青年委員長

 

1.労働情勢

 実質GDP(対前年増減率)は、2018年が3.7%であった。
 インフレ率は、2018年が7.9%であった。
 2018年の最低賃金は、月額で131ドルである。
 失業率は、2018年が12.6%であった。

  2017年 2018年 2019年(見通し)
実質GDP(%) 4.3 3.7 4.3
物価上昇率(%) 6.6 7.9 8.8
最低賃金(月額) 100ドル 131ドル 131ドル
失業率(%) 12.6 12.6 12.6

2.労働法制の法的枠組みと社会保障制度

 ザンビアの労働関連法制は、これまで「雇用法」、「労使関係法」、「若年者雇用法」、「最低賃金法」、「雇用(特別条項)法」、「工場法」などに分かれていたが、今年(2019年)から、うちいくつかの法をまとめて新しい労働法制(レイバーコード)として施行している。
 一方、年金制度には次の4つの制度があり、それぞれ労働者が退職した後の老齢年金としての役割を担っている。

1)国民年金制度

 NAPSAと呼ばれる国民全員が加入する制度で、政府が運営している。これは公共部門、民間部門双方に共通する枠組みで、拠出金は、使用者と労働者がそれぞれ各人の基本給の5%分を負担する。

2)公務員年金基金

 パブリックサービス、ペンション・サービス・ファンドと呼ばれる公務員のみが対象の年金制度である。これは、労働者各人(公務員)が拠出する基金である。

3)地方自治体退職年金基金

 地方自治体で働く労働者各人が拠出する基金である。

4)民間企業における制度

 新しい制度で、民間企業がそれぞれ行う厚生年金的な制度である。政府は、現在この制度を普及すべく各企業に奨励している。

3.労働組合が直面している課題と取り組み

(1)インフォーマルセクターの労働者をめぐる課題

 ザンビアにおいては、インフォーマルセクターで働く人の割合は、全労働者の85%にも及んでいる。彼らには社会保障制度が適用されず、賃金も極めて低い実態にある。また、インフォーマルセクターで働く人の大半が労働組合に加入していない。こうした中で、ザンビア労働組合会議(ZCTU)はインフォーマルセクターで働く労働者に労働組合加入を呼びかける取り組みを行っている。

(2)ザンビアにおける労働組合組織の現況と課題

 ザンビアでは労働組合のナショナルセンターが複数存在し、こうしたことから企業別の労働組合も同一企業内で分立している状況だ。そして、上記(1)で述べてようにインフォーマル経済が主流を占めていることも組織率が低い背景となっている。
 こうした現況を踏まえ、労働組合は、まずインフォーマルセクターで働く労働者に労働組合加入を呼びかけるとともに、労働組合分立状況の中で、団体交渉を効果的に展開するため組合を一つにまとめる取り組み、または労働組合間で連携を強める取り組みを推進していく必要があると考える。今、そのためのキャンペーンを行っている。