国際労働財団(JILAF)は、日系企業の新たな進出先として注目されている、バングラデシュにおいて労使関係セミナーを工業都市クルナ(12月6~8日)で、女性セミナーと労使関係セミナーを首都ダッカ(12月10~12日)で開き、68人が参加した。
工業都市クルナでの労使関係セミナー(12月6~8日)
工業都市のクルナにおいて、現地の労働組合リーダー36人が参加した。はじめにJILAF専門家として、連合・田島アドバイザーは「現在、労働組合のおかれている状況は厳しいものだが、このセミナーに参加している仲間が団結してさまざまな課題に取り組めば、必ず労使関係や労働条件の改善することができる。このセミナーで学んだことを職場に持ち帰り、仲間と共有してほしい」とあいさつ。
セミナーでは連合・田島アドバイザーから(1)連合の組織化方針(2)日本における組織化の経験――の講義が行われた。次にITUC-BCバングラデシュ協議会の組織化担当者から(1)労使関係と組織化の状況(2)組織化の課題と解決方法(3)オーガナイザーのスキル(4)組合登録と労働法――などのセッションも行った。
次に工場訪問では1600人規模の縫製向上を見学し、安全衛生の状況などを確認後、経営側との意見交換を行い、職場の労使関係について学ぶ機会となった。
最後に参加者の「今後1年間の行動計画」として、「自らの職場の組織率の上昇」「平均賃金の底上げ」などの具体的な計画を策定し、今後の労使関係の改善に向けて取り組むこととした。
首都ダッカでの女性セミナーと労使関係セミナー(12月10~12日)
首都ダッカではジェンダーをテーマとしたセミナーを開き、現地の女性労組リーダー32人が参加した。JILAF専門家として、UIゼンセン同盟・郷野国際局長は、「バングラデシュでは、女性の労働が重要であるにも関わらず、待遇など多くの面で公正に扱いがされているとはいえる状況ではない。このような状況を打開するため、このセミナーに参加している仲間が団結して課題解決のために行動することが重要である」と述べた。
セミナーでは、郷野局長から「リビングウェージとジェンダー」、JILAF・井上現地支援グループリーダーから「労使協議と団体交渉」の講義を行い、現地労組のジェンダー担当者から(1)バングラデシュにおける女性労働者の現状(2)職場でのジェンダー問題(3)女性の地位向上への課題――などのセッションも行われた。
次に縫製工場を訪問し、経営陣との意見交換では「職場における女性労働者の労働条件」「女性労働者の雇用」などについて質問が出されていた。
最後に参加者一人ひとりが「今後1年間の行動計画」を策定し、女性の地位改善に向けた取り組みを行うことを確認した。
月日 | 内容 | |
---|---|---|
12月06日 | 火 | 組織化セミナー |
12月07日 | 水 | 組織化セミナー |
12月08日 | 木 | 組織化セミナー |
12月09日 | 金 | 工場訪問 |
12月10日 | 土 | 女性セミナー |
12月11日 | 日 | 女性セミナー |
12月12日 | 月 | 女性セミナー |