国際労働財団(JILAF)は8月21~25日、タイ・バンコクで、国際労働機関(ILO)との共催により「不安定な雇用と対応」を主なテーマとする多国間セミナーを開催し、アジア・太平洋地域の若手労働組合指導者24人が参加した。
開会にあたり、ILO・浦元アジア太平洋地域総局長は、「近年、アジア諸国は経済成長が続いているが、それに伴い各国インフォーマルセクター経済も拡大の一途をたどっている。 今次セミナーの狙いは、アジアにおけるインフォーマルセクター経済の現状や課題の把握などを通じ、今後の労働組合としての取り組みなどを検討することである」と述べた。つづいて、JILAF・長谷川理事は、「各国労組のインフォーマルセクター労働者の組織率は押しなべて低いのが現状である。まずは、労働組合がインフォーマルセクター労働者全般の課題認識を高め、さまざまな活動を通じて課題改善を図ることが急務である」とあいさつした。
続いて行なわれた5日間のプログラムでは、[1]インフォーマル経済化が進む中でのディーセントワーク実現の取り組み[2]不安定な雇用に関するILO条約と勧告[3]団結権・団体交渉権の獲得に向けた課題――などをテーマに、講義や相互論議などが行われた。
セミナーの中で、JILAF・長谷川理事は、「日本の非正規雇用に対する労働組合の役割」と題した講義を行ない、日本の非正規雇用の現状と労働組合の取り組みについて説明した。参加者からは、日本の非正規労働者が適用可能な社会保障制度の内容や日本における移民労働者の現状・対策などに関する質問があり、適宜答弁した。
今次セミナーを通じ参加者は、インフォーマルセクター経済下で就労する労働者が抱える課題や労働組合の意義・役割などのテーマを多角的に学習し、ディーセントワーク実現に向けた情報や意見を共有・交換した。
また最後に参加者は、労働組合としてのインフォーマルセクター労働者の協力活動案「アクションプラン:ドメスティックワーカーの組織化セミナー(ミャンマー)、建設労働者を対象としたOSHセミナー(ベトナム)、美容師の就業支援(ネパール)など」を作成、全体発表・相互論議し、セミナーを締めくくった。
月日 | 内容 | |
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08月21日 | 水 | 多国間セミナー1日目 |
08月22日 | 木 | 多国間セミナー2日目 |
08月23日 | 金 | 多国間セミナー3日目 |
08月24日 | 土 | 多国間セミナー4日目 |
08月25日 | 日 | 多国間セミナー5日目 |