タイ・国際労使ネットワーク等を通じた組織化による草の根支援事業(SGRA)の実施(5月)

 今年度のタイにおけるSGRA事業の最初の活動となる第1回EWCセミナー開催のため、5月15~23日、バンコクを訪問した。
 EWCセミナーは、SGRA事業推進の核となるEWCメンバー(拡大作業委員会メンバー)を対象としており、タイにおけるインフォーマルセクター労働者への支援活動の持続的・自立的な活動実施をめざす人材育成型セミナーである。具体的には、EWCメンバーは以下の内容を1年間通して学ぶ。
①ライフサポートセミナー(インフォーマルセクター労働者の生活の底上げを目的とした教育セミナー)の講師・運営ノウハウ
②政府や経営者団体が実施する既存の職業訓練への橋渡しのノウハウ
③クレジットユニオンといった協働組合設立のノウハウ

 第1回目のEWCセミナーでは、バンコクの中央EWCメンバーならびに北部チェンマイのEWCメンバー30人が参加をした。セミナー冒頭には、タイ労働省・スパチャイ労働保護福祉局インフォーマル労働者センター長より、タイ政府のインフォーマルセクター労働者に対する方針とSGRAの重要性、タイ経営者連盟(ECOT)・ウクリット常務理事より、インフォーマルセクター労働改善に向けた使用者側の取り組み(マルチメイト・プロジェクト(対象;ドメスティック労働者))とJILAFとの連携――などにかかる特別講演があった。
 セミナー講師としては、ホームネット・タイを招き、JILAFと共同作成したツールキット各項の詳細(①家計改善術②書面による雇用契約締結術③社会保険第40条・国民皆健康保険(ゴールドカード)概要④高齢者・障がい者福祉概要など))ならびに教授法の講義が双方向型でなされた。さらに、セミナー三日目には、農業協同組合省クレジットユニオン連盟・ナタウット事務官より、インフォーマルセクター労働者のための協同組合設立に向けた講義があり、設立後の健全かつ持続的運営などに向けた活発な質疑応答があった。
 参加者は、上記をふまえ、ツールキット内容を再度学習したうえで、雇用契約や社会保険などにかかる模擬セミナーを実施し、グループ同士で改善点等を指摘し合うなど、セミナー本番を想定した訓練を行なうとともに、行動計画(アクションプラン)を作成・発表し、2013年度活動方針に基づくフォローアップセミナーを原則7月末までに自主開催することを全体で確認、三日間のセミナーを終了した。

日程

月日内容
05月15日第1回EWCセミナー 1日目
05月16日第1回EWCセミナー 2日目
05月17日第1回EWCセミナー 3日目

参加者の様子

労働省による特別講義の様子

ホームネット・タイによるレクチャー

グループワークの様子