国際労働財団(JILAF)は、普及セミナーを7月18日、セネガル・ダカールで開き、過去の招聘プログラム参加者や労働組合指導者など68人が参加した(過去の招聘プログラム参加者は12人)。JILAFがセネガルでセミナーを実施するのは、初めてのことである。
このセミナーは[1]過去の招聘プログラム参加者が日本で学んだことを帰国後、どのように活動に活かしているか調査する[2]日本および招聘対象国の労働情勢や労働運動に関する意見交換を行ない、両国間の連帯と連携を強化する――ことを目的としている。
現地組織を代表して、セネガル全国労働組合同盟(CNTS)・ラナンファル事務局次長は、セネガルで普及セミナーが開かれたたことへの感謝を述べるとともに、「JILAF招聘事業への参加者は、日本の労使協議制や生産性運動についても充分理解している。日本が戦後、急速に発展したことは偶然ではない。われわれも日本のような発展をめざしたい」とあいさつ。
JILAF紹介の後、JILAF・團野専務理事から、「日本の労働組合と労使関係」と題した講義が行なわれ、参加者からは「日本の組織拡大の状況」「団体交渉・労使協議のあり方」「労働組合の社会的責任」など、多くの質問が出された。
次に招聘プログラム参加者からの活動報告では、「日本の労使協議制を導入しようと検討している」「生産性運動を推進するため幹部委員会でセミナーを開催した。労働組合の教育マニュアルに日本の生産性運動を掲載している」「JILAFで学んだ労使交渉のあり方や職場の環境改善を進めながら、生産性向上や雇用創出について取り組んでいる」「民主的労働運動の必要性を再認識した」などの感想が聞かれた。
最後に團野専務理事から、「欧州諸国の金融危機やロシア・中国などの動向、グローバル化からブロック経済化への変化など、労働組合を取り巻く環境も変化し、労働組合の役割は今後より重要となる。国際的な連携は情報の提供とコミュニケーションであり、今後も共に力を合わせ課題解決に向けて、アフリカ諸国とJILAFの強固な関係を築いていきたい」とあいさつし、セミナーは閉会した。
月日 | 内容 | |
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07月18日 | 水 | ナショナルセンター訪問(UNSAS) 労働省訪問・労働大臣との会見 |
07月19日 | 木 | ナショナルセンター訪問(CNTS) |
07月20日 | 金 | 普及セミナー |
07月21日 | 土 | 在セネガル日本大使館訪問 |
07月22日 | 日 | UNSAS加盟の鉄道労働組合訪問・意見交換 |