パキスタンPWF/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

開会式の様子

 2021年9月20日、21日にPWF(パキスタン労働者連盟)との共催で「労使関係・労働政策(IR)セミナー」をラホール市とオンラインで結び、53名の参加を得て開催することができました。
 開会式では、PWF事務局長から、COVID-19が労働者に影響を与える中、すべきことを教えて欲しいのでJILAFに協力をお願いしたいと述べられ、PWF運営委員会議長からは参加者に対してしっかり学ぶようにとの激励の言葉がありました。続いてJILAF
を代表して矢木専務理事から、COVID-19禍の中で人を大切にして雇用不安を取り除く重要性が述べられ、またILOパキスタン代表からは、ILOでもCOVID-19に対しては政労使で対応していることが述べられ、医療産業のサプライチェーンへの影響・ジェンダー・弱者救済のための社会的対話の必要性が訴えられました。

 冒頭、矢木専務理事は日本の社会・労働組合の歴史的経過を説明した上で、労働組合の役割と課題について建設的労使関係の構築と無用な労使紛争の未然防止の観点から講義し、続いて辻グループリーダーは日本でのCOVID-19に対する政府の法制面での対応と労働組合の諸要求とその成果等について概略を紹介しました。
 続いてPWF労働専門官から、パキスタン政府のCOVID-19対応についての紹介と評価がありました。それによると、債務者救済のための金融緩和(返済猶予・低金利融資など)や国民一人当たり12,000パキスタンルピー(8,000円弱)の無条件支給を行うEhsaasプログラムが実施された一方、日本の政策との対比では失業給付が無い事を挙げられていました。
 その後、PWF運営委員会議長からこのような状況下でPWFが労働組合として行うべきことが述べられましたが、自国のみならず南アジア全体や移民労働者の存在も踏まえ、社会を巻き込んでいくこと、またCOVID-19をきっかけに弱者保護のテコ入れをする機会とすべきであるとの発言もありました。
 2日目は、熱心な参加者のために開始を30分繰り上げて始められ、初めにPWF労働専門官から、インフォーマル労働者の状況について説明がありました。銀行で日雇いの職員がいること、またフォーマル労働者も含めて定義が不明確であり、ILO条約が周知徹底されていないことなどの問題点、さらに、多くが仲介者を経て就業していること、また、通勤災害が補償されない、年金制度が継続されない、無期雇用への転換制度(通常3か月経過で有資格)がないがしろにされているといった不備がある点も指摘されました。無職であることが犯罪誘発につながる一方、正規雇用化によって子どもを学校に通わせられるようになったといった好事例にも言及があり、併せてPWFの相談窓口についても紹介がありました。
 続いて運営委員会議長からEhsaasプログラム等についての説明、またアフガニスタンからの移民労働者への対応として、食事の提供などを行っていることの紹介がありました。
 閉会にあたっては、運営委員会議長からの総括的なコメントに続き、矢木専務理事からは参加者の積極的な参加への謝辞と今後の活躍への期待が述べられた後、PWF会長から、改めてCOVID-19禍の中でのJILAFの取り組みへの謝辞とともに、若手・女性役員の積極的な参加に感謝の意が述べられました。PWFは本セミナーで得られたことを参考にして活動を続けていきたいとの意を示しました。

参加者の様子

PWF参加者の様子 

質疑応答の様子 

現地メディアへの掲載