スリランカSLNSSおよびCWC/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

SLNSS参加者

 2021年8月11日にSLNSS(スリランカ・ニダハス・セワカ・サンガマヤ)と、2022年1月28日にはCWC(セイロン労働者会議)との共催で「労使関係・労働政策(IR)セミナー」をそれぞれコロンボ市、ヌワラエリア・コタガラ市とオンラインで結んで開催しました。

 SLNSSとのセミナーには、同労組に所属する労働組合役員15名が参加しました。
 伝統儀式の後、斉藤副事務長は本セミナーが実施できることについて感謝を伝え、COVID-19犠牲者に哀悼を表すと共に、COVID-19によってもたらされた労使関係上の課題及び未然防止対策の共有という本セミナーの意義を確認しました。

 SLNSS事務局長からはスリランカでのCOVID-19の状況を説明した後、日本国政府に対し、スリランカでの労使関係開発等の継続的な支援・協力に謝意が示され、その上で建設的な労使関係の構築について「日本とスリランカの間で経験を共有、新たな労働方針の開発へ向ける」と挨拶がありました。
 続いて使用者連盟(EFC)副会頭から日本政府の支援に謝意を伝え、現在の厳しい状況を乗り越えるために日本の経験に学びながら建設的労使関係の構築が重要であると挨拶がありました。
 その後、SLNSS事務局長が「スリランカにおける建設的労使関係」をテーマとする講義を行い、まず①建設的・敵対的労使関係の定義および労働運動の合法性・社会への影響、について触れた後、②生産性の向上及び労働者を守るという労働組合の二つの役割とバランスを保つためには政労使間のコラボレーションと、相互信頼、社会対話、労働基準の尊重、公正な分配が不可欠である、③スリランカにおける建設的労使関係上の課題として、労働組合の多様性と競争や労働運動の政治化があり、労働運動の強化のためにはまず組合員の利益を考え、労働運動に対する健全な姿勢を育むべきである、と述べました。

 JILAFからの発表では斉藤副事務長から「日本の労働運動の役割と課題」をテーマに①日本の労働運動の歴史、②生産性運動と生産性三原則、③日本における労使協議制、等について説明し、辻グループリーダーからは日本におけるCOVID-19の雇用への悪影響を抑えるための①法制度面での対応、②労働組合のCOVID-19への施策等、について説明しました。参加者からは①日本の労働組合の政治的な立場、②団体交渉が合意に至らない場合の対策、③日本で就業中にCOVID-19に感染した場合の手当の支給等について質問があり、JILAFから適宜回答しました。
 最後にEFC副会頭とSLNSS事務長から、日本の事例に学び政労使間の連携を強化させ、誠意と敬意を払い合う労使間の信頼関係を構築していきたいと述べ、閉会しました。

 CWCとのセミナーには、同労組に所属する労働組合役員20名が参加しました。
 冒頭、相原理事長はJILAFの紹介と共にスリランカにおいてCOVID-19の犠牲となった方々へ哀悼を表した後、COVID-19による経済、雇用上の課題に直面している経営者と労働者は連携して建設的な労使関係を構築する意義を確認すべきと挨拶しました。

 続いてCWC副事務局長はJILAFとの長年にわたる様々な連携に謝意を伝え、スリランカにおいての紅茶生産の現状の共有があり、CWCは1939年から労働協約を結び茶畑労働者の労働環境を改善してきた結果、気候変動やCOVID-19の影響を受けていても生産の成長が見受けられ、雇用安定も確保できることから、建設的な労使関係の重要性を認識してほしいと述べました。また、CWC女性部長から、現在の経済的な課題に直面しているスリランカは建設的な労使関係を重視すべきである旨を伝え、本セミナーの実施をサポートする日本国政府とJILAFに謝意が伝えられました。
 CWCからの発表で、副事務局長は「より良いスリランカのための労使関係」というテーマで講義を行いました。その中で、①労使関係、労働者の権利、労働政策の定義、②労使関係と生産性、③労使紛争の調整制度及び各関係機関の役割(労働局、労働大臣、労働審判等)を説明し、参加者は各地域の労働組合代表として労使紛争の調整にかかわる可能性があるため、労使関係法の理解を深めてほしいと述べました。
 JILAFからは、斉藤副事務長から「日本の労働運動の役割と課題」、辻グループリーダーから「COVID-19禍における日本の法制度面および労働組合としての対応」をテーマとした講義があり、参加者から①日本の労政審議会における公益代表の役割、②労政審議会での決裁権限、決裁手続き及び政府との関係について等の質問があり、適宜回答しました。
 最後に、CWC副事務局長はJILAFによる継続的な労使関係分野へのサポートに対する謝意とともに、引き続きIRセミナー、招へい事業に協力すると述べました。JILAF斉藤副事務長はCOVID-19により労働者が困難な状況におかれている時こそ建設的な労使関係の構築、政労使の連携が重要であると述べ、閉会しました。
 セミナー終了後にも、CWC労使関係部長による意見交換会が行われ、スリランカにおける労使紛争の調整手続きと労働協約に基づいたマタニティー福利厚生制度について説明がありました。

参加者の様子

CWC参加者

JILAF側参加者(含タイ事務所)

閉会式の様子