ネパールITUC-NAC/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

会場の様子

 12月3日、4日に、ITUC-NAC(ネパール労働組合会議(NTUC)・ネパール労働組合総連盟(GFONT)・ネパール労働組合連盟(ANTUF))との共催による「労使関係・労働政策(IR)セミナー」をカトマンズで開催しました。本セミナーには、ITUC-NACに所属する労働組合役員68名が参加しました。

 開会式ではNTUCのプスカール会長をはじめ、労働組合3組織の会長、チャンドラ・シャンハイ使用者連盟(FNCCI)副会頭、チャンドラ・ダカール労働雇用社会保障省(MOLESS)事務次官、サロマン・ラジバンシILOネパール事務所シニアプログラムオフィサーが挨拶に立ち、本セミナーの意義深さに触れつつJILAFおよび日本国政府の協力に謝辞がありました。

 続いて、ヨゲンドラNTUC事務局長から、“改正労働法:特に団体交渉と社会対話について”をテーマに講義があり、「労働法の改正によって労使・政労使関係の構築がより重要となるが、交渉にあたっては、すぐにストライキ権を行使するのではなく、労使双方が尊重し合う姿勢を堅持し、情報を共有しながら粘り強く協議する姿勢が重要だ。」と建設的な労使関係構築の重要性を強調されました。

 その後、森下JILAFプログラムマネージャーが“コロナ禍の日本の労働組合の活動と社会対話について”をテーマに、コロナ禍で日本の労働組合は①雇用の安定、②政労使間のあらゆる機会を通じての対話の実施、③生産性三原則に基づく公正分配、を最優先課題として取り組んでいること、三者構成協議の仕組みとして労働政策審議会があり、そこで特に安定雇用について論議されていること、について触れ、「コロナ禍のような社会全体の利益が縮小傾向にある時期において、使用者・労働者がいがみ合うのではなく、社会課題の解決に向けて手を取り合うことが長期的には労働者の生活や国の発展に適うものと考える。そして三者協議の場で労働組合の発言に重みを持たせるためには、日頃から労使で公正に協議して物事を決める建設的な労使関係が重要だ。」と説明しました。

 2日目は、クリシュナ社会保険基金局長からネパールにおける社会保障制度について、制度の概要と課題に関する講義があり、その後、ハンス・ラム・パンディーFNCCI上級顧問からネパールの労使関係について、セミナー参加者と往復論議しつつ講義が進められ、最後に「労使関係は1日で成らず。労使双方が協議を通じて意識や考え方をすり合わせていかねばならない。最も重要なことは労使が信頼し合うことだ。労働組合は経営に関心を持ち、経営者は職場環境や従業員の生活向上に関心を持つべきである。」と語り、講義を締めくくりました。
 閉会式ではガネシュNTUC副事務局長から、このような困難な状況の中でネパールに訪問したJILAFへ謝辞があった後、「良い労使関係が高い生産性の実現につながるということを我々が各職場で実践しなければならない」との挨拶があり、それを受け、斉藤JILAF副事務長は、参加者と事務局に謝意を示した上で、「日本でも最初から建設的な労使関係が構築できたわけではない。構築に長い年月を要した。ネパールの皆さんも様々な課題や困難がある中であきらめず使用者側に発信し続けてもらいたい。道は必ず開ける。」と挨拶し、二日間にわたるセミナーを終了しました。

参加者の様子

登壇者の皆様

労組3組織(NTUC,GEFONT,ANTUF)の会長

入場前の抗原検査の様子