タイITUC-TC/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

11月7日~8日にシーラチャー市において、タイITUC-TCとの共催による「労使関係・労働政策(IR)セミナー」を開催し、合計115名が参加しました。

開会式(南雲理事長挨拶)

 冒頭、JILAF南雲理事長、マノップITUC-TC副事務局長(SERC副事務局長)、労働省ニコム労使紛争解決部長、シリワン使用者連盟(ECOT)事務局長、ILO-ACTRAV(国際労働機関労働者活動局)大辻氏、在タイ日本国大使館猪俣一等書記官から挨拶があり、本セミナーの主旨・目的等を参加者全員で共有しました。

 続いてJILAF斉藤副事務長から、日本におけるCOVID-19の雇用への影響を最小限に留めるための施策等について触れた上で、労働組合の役割と課題として、建設的労使関係の構築と無用な労使紛争の未然防止の取り組みを中心に説明があり、その歴史的経過を含め共有しました。参加者からは、COVID-19の影響も含め、解雇された労働者に対する法的支援の詳細について、日本の組合財政の詳細について、労働組合の組織拡大および非正規労働者の組織化に向けた取り組みについて、非専従労働組合役員の活動参画についての経営者側の理解醸成について、等の質問があり、斉藤副事務長から回答しました。

 続いてILOアルン氏より、建設的労使関係についての発表がありました。アジア各国の労使関係と比較しながら、日本の労使関係について一つのモデルケースとして紹介があり、タイについてもタイの状勢に合わせた労使関係を構築するべきだが、建設的な労使関係構築が進んでいる日本については大いに参考にするべきとの紹介がありました。
 続いて労働省ニコム部長から、無用な労使紛争の防止に向け、労働省が取り組んでいる施策について共有があり、お互いを尊重していく姿勢の必要性や、労使の協力関係は一朝一夕には出来ないものなので、長いスパンを見通した対応が必要であることについて説明がありました。
使用者連盟(ECOT)シリワン氏からは、労使紛争を未然に防止するための方策として、相互の着地点を見出す努力を惜しまないこと、また、使用者側に対する教育の必要性や、多数の労働組合員の代表である労働組合役員の存在価値を認知することの重要性、特にCOVID-19流行下における活動のデジタル化・コミュニケーションのあり方等について共有がありました。
 また、「建設的な労使関係構築に向けた取り組み」及び「無用な労使紛争の未然防止」をテーマにグループ討議を実施し、各グループから、特にこの困難な状勢下において、建設的な労使関係の構築に必要なアクションプランとして、「労使が相互に尊重しあい、信頼関係を醸成することが重要である」、「労働者も自身のスキルアップを図り、自身の価値を高めていく必要がある」、「会社の業績を好転させられるよう、労働者側からのボトムアップも必要である」、「経営者側も、労働者側にビジョンを共有できるように綿密な情報共有が必要である」、「労働法制が現代に即していない面があり、現代化が必要である」、「労使の話し合いの際にきちんと議事録を作成し、双方チェックの上で記録に残していくことが必要である」等の発表がありました。発表を踏まえ、JILAF斉藤副事務長から、2日間のセミナー内容を踏まえたアクションプランであり、現場の労使関係で実践できるよう常に心掛けてほしい、との見解を共有しました。
閉会にあたりJILAF南雲理事長から、本セミナーの開催にあたり115名の参加者 が集まったことへの感謝およびセミナーの中で発表されたアクションプランについて全面的な賛意が示されたうえで、「コロナ禍の難局を乗り切るためにも労使関係の更なる深化が求められており、それは相手への信頼を深めていくことによって成立するため、参加者の皆さんの今後のそれぞれのポジションでの活躍に期待する」とのコメントがあり、閉会しました。

参加者の様子

会場風景

グループ発表