インドネシアCITU/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

現地でのオンライン会議の様子

 10月26日、27日の2回にわたって、インドネシアCITUとの共催による「労使関係・労働政策(IR)セミナー」をオンラインにて開催しました。本セミナーには、合計77名が参加しました。

 冒頭、JILAF南雲理事長、CITUラミディ事務局長が挨拶を行い、本セミナーの主旨・目的等を参加者全員で共有しました。

 つぎに、JILAF矢木専務理事が、「連合の政策・制度改善の取り組み」、「労働政策審議会(三者構成)」、「連合の政治への働きかけ」について概説し、日本における政労使対等の関係性に基づいた三者構成、日本の労働組合が果たしている社会的役割の大きさ等について説明しました。その後、日本におけるCOVID-19の感染状況や、雇用の維持と事業の継続に向けた様々な施策の紹介と労働組合としてのそれらへの関わり方等についても共有しました。参加者からは、国の政策策定への連合としての影響力、日本の最低賃金制度、審議会における政府の役割、10月5日に可決されたインドネシアの「雇用促進オムニバス法」に対する日本側の捉え方等について質問が出され、適宜回答しました。

 続いて、CITUイスワン副会長より、「雇用促進オムニバス法」には、①退職金の減額、②外国人労働者の受入れ拡大、③最低賃金の算出方法の変更、④契約社員の雇用期間延長、⑤アウトソーシング対象業種の拡大、⑥1日あたりの時間外労働の上限緩和、⑦解雇要件の緩和等、労働者にとって受け入れ難い内容が含まれており、労働組合は行動を起こすべきである、との主張がなされました。

 これを受け、パネルディスカッションの中で、労働分野の専門家であるインドラサリ氏は、「本法案が可決されるに至った背景には、労働組合の社会的影響力の低下もあると思料する。労働組合が人材育成、ストラテジーの構築等包括的な活動に更に注力し、また、労働組合(ナショナルセンター)間がもっと連携し、広く社会に受け入れられる存在に変わる必要がある。ただストライキを行なうだけでは実効性が望めないことを危惧している。」との見解を示ししました。一方、JILAF斉藤副事務長は、日本における三者構成についてあらためて共有した後、「本法案の内容の問題点をあらためて明確化し、それらを広く国民と共有し、労働組合員のみならず国民の声を味方につけた上で政労使による協議が再開できることを期待している。」との意見を述べました。参加者からは、政府との今後の交渉の余地の有無、日本とインドネシアにおける三者協議メカニズムの相違点等について質問が出され、適宜回答しました。

 その後、CITU広報局より、ソーシャルメディアは労働組合の存在をアピールするための手段の一つであり、参加者が所属するそれぞれの企業別労働組合において有効に活用していただくことで組合活動が活性化し、組合員の労働組合に対する認知度も高まり、組織率の向上にもつながる、との主旨の講義がありました。

 最後に、インドネシアでは労働組合が非常に大きな課題に直面している中、オンラインによる本セミナーが開催できたことの意義の大きさについて参加者全員で確認し、閉会しました。

参加者の様子

事務局でのオンライン会議の様子