バングラデシュ労使関係・労働政策(IR)セミナーを開催

開会式での齋藤事務長挨拶

 11月12日~13日、国際労働財団(JILAF)は国際労働組合総連合バングラデシュ協議会(ITUC-BC)との共催で、ダッカ市で労使関係・労働政策セミナーを開催しました。

セミナーにはITUC-BC傘下組合の役員・リーダー約40人が参加し、開会式ではジャハンギールITUC-BC前事務局長が、長年にわたるJILAFおよび日本国政府による建設的労使関係構築や雇用安定等に向けた支援と協力への感謝を述べ、台風19号の犠牲者への哀悼と被災者への見舞いの言葉と黙とうが捧げられました。続いて、齋藤JILAF事務長は、バングラデシュ南部とインドに甚大な被害をもたらしたサイクロン”Bulbul”による犠牲者と被災者(約215万人、家屋3万軒倒壊)に哀悼と見舞いの言葉を述べた後、長年の日本・バングラデシュ間の友好関係やITUC-BCとの重畳的連携関係に触れつつ、日本国政府からの受託事業であるIRセミナーの主旨を強調して説明をしました。

 続いて、齋藤JILAF事務長から「日本の労働運動と建設的労使関係」について講義を行い、日本の労使関係の変遷、団体交渉と労使協議制の調和的配置、経済成長を牽引する多国籍企業の存在を重視した生産性向上に基づく最低賃金要求、最低賃金に依拠しない労使による賃金上昇の取組み、インフォーマルセクター労働者を含む労働者の権利保護及び地位向上に向けた労働運動の糾合と結集、自由で民主的かつ透明性を持った労働組合の運営、職場における組合員との信頼強化と労使の当事者意識を持った労働環境改善及び雇用安定の取組み等について概説しました。その上で、グローバル経済の進展に伴うアジアの時代の到来と言われる反面、各国では労働者の権利蹂躙や雇用劣化が課題となっていることから、齋藤JILAF事務長は参加者に対して建設的労使関係の構築に向けて努力するよう期待を述べました。

 会場参加者からは、バングラデシュにおける労使関係の改善に活かしたいとの意見や多くの質問が出され、齋藤JILAF事務長がこれらに対し適宜回答しました。

その後、現地講師による「バングラデシュの社会保障制度」および「バングラデシュ労働運動の現状と健全な労使関係の構築に向けた課題」に関するレクチャーが有り、初日のプログラムを終了しました。
2日目は、現地講師が「バングラデシュにおける労使関係の課題と解決法」と題する講義を行い、日本の建設的労使関係に学ぶべき点が多くあることを強調しました。その後、参加者が6グループに分かれ「建設的な労使関係の構築および労働者保護に向けて」のテーマで論議と相互発表を行いました。

 各グループから、生産性向上に貢献し、使用者との信頼関係を醸成した上で、日本の労使協議制を職場に普及させたいとの共通した意見に加え、①敵対的労使関係からの脱却と労使/社会対話の実現、②支持政党や思想を超えたナショナルセンター間の連帯と結集(Oneナショナルセンター化)を通じた労働者の権利保護と労働運動の推進、③女性労働者およびインフォーマルセクター従事者の労働運動への包摂・組織化と保護、④組合財政の健全化と透明性を持った運用、⑤労働界の次世代を担う人財育成の強化などが提言され、齋藤JILAF事務長から適宜助言をしました。
最後に、齋藤JILAF事務長より、参加者の熱心な参画に敬意を表すとともに、「企業内において建設的な労使関係を築くためには、使用者との信頼関係の構築はもとより、組合員との日頃からのコミュニケーションを通じた理解と協力を得ることが重要となる。本日のアクションプランの着実な実践をお願いしたい」と訴え、2日間のセミナーを終えました。

日程

月日内容
11月12日11/12セミナー1日目(会場:ダッカ市内)
11月13日11/13セミナー2日目(会場:ダッカ市内)

参加者の様子

JILAF講義「日本の労働組合の課題と役割」

グループ討議

参加者集合写真