カンボジアITUC-CC/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

セミナー集合写真

国際労働財団(JILAF)は、8月27日~28日にプノンペン市において、カンボジアITUC-CCとの共催による「労使関係・労働政策(IR)セミナー」を開催しました。本セミナーには、合計61名が参加しました。

冒頭、ソイ・ソム・オンCCTU副会長、アッ・トンCLC会長、ロン・チュンCCU会
長、トゥン・ソフォーンILOコーディネーター、カン・モニカGMAC部長、在カンボジア日本国大使館前川二等書記官、JILAF南雲理事長、プラック・チャントルン労働・職業訓練省長官が開会挨拶を行い、その中で、カンボジアにおける雇用の安定と建設的な労使関係の構築に資することを期待するとともに、グローバリゼーションが益々進展する中で、カンボジアも世界の動きや経済動向にさらに目を向ける必要がある、等の発言がありました。

雇用の安定と建設的労使関係について、CCTU、CCU、CLCそれぞれから、自組織の取組や考え方が示されました。その中で、カンボジアにおける来年度の最低賃金のあり方については、「物価上昇に合わせて上げるべきだが、国際競争力等、他の要素も総合的に判断して決めるべきである」(CCTU)、「人として最低限の生活を保障できる賃金としての位置付け・基準に基づくべきであり、毎年の上昇率のみに焦点をあてるべきではない」(CCU)、「労働条件の改善が労働者のモチベーション向上、企業の利益向上にも繋がるという観点からも適正な水準を指向すべきである」(CLC)との見解が示されました。

JILAF南雲理事長から、労働組合の目的と役割に関する基本的な考え方、および、労働組合運動が具備する自助、共助、公助の精神等について、さらに、自己実現や自己確立を促す機能としての「働くこと」の意義や、自分の仕事に誇りを持つことの尊さを感得することの大切さについても共有しました。

JILAF斉藤グループリーダーは、戦後日本の経済発展と労働運動の変遷から、日本の労
働組合が建設的労使関係の構築に取り組んできた背景などについて概説しました。そのうえで、日本の労働組合の建設的労使関係の実例として、生産性運動を中心とした雇用安定の取組み、労使交渉・労使協議制の機能と役割、春季生活闘争、および政労使の社会対話や労働政策の決定メカニズムなどについて説明しました。

労働コンサルタントのヌォン・リティ氏からは、建設的労使関係の構築に必要なソフトスキルとして、コミュニケーション能力、チームワーク、チェンジ・マインド(ポジティブ・シンキング)をはじめ、仕事に対する姿勢、誠実さ、規律正しさ、等が重要であり、会社との交渉時にも、これらのソフトスキルを活用することで、相互の信頼関係も構築できるとの説明がありました。

グローバリゼーションと労働組合の役割について、JILAF斉藤グループリーダーから、
グローバル・アパレル企業がアジアで操業する委託縫製工場の課題(労働環境、労働条件、環境負荷)について具体例を示した後、労働組合の役割として、建設的な労使関係の構築と社会対話の実現、そのための人材育成や労働組合間の国際的な連携も必要との認識を共有しました。

その後のグループ討議では、4グループに分かれ、建設的な労使関係構築のための方策
やグローバリゼーションが進展する中での労働組合の役割について論議し、「使用者側と定期的な会議(労使協議)を開催する」「労使紛争が起きた場合にどう対応するかケーススタディとして労使が一緒に考える」「労働組合役員のスキルアップ、人材育成に努める」「労働側国際組織(ITUCやGUFs等)との更なる連携、協力を深める」等の発表がありました。

最後にJILAF南雲理事長から、「職場組合員から信頼される労働組合役員をめざしてほしい。そうすれば会社、社会からも信頼され、労働組合の社会性、公益性を増すことができる」と閉会の挨拶があり、セミナーは閉会しました。

日程

月日内容
08月27日08/27セミナー1日目(会場:プノンペン市)
08月28日08/28セミナー2日目(会場:プノンペン市)

参加者の様子

講師の話に耳を傾ける参加者

グループ討議中

発言する参加者