建設的労使関係強化・発展チーム

9月29日から10月7日の日程で、インド・インドネシア・マレーシア・フィリピンの4ヵ国計10名(うち女性3名)が来日しました。

労使対等・自治に基づく労使の取り組みを報告(労働事情を聴く会・拡大版)

  建設的労使関係強化・発展チームは、建設的労使関係の基盤が比較的根付きつつある国々の日系企業・事業所の労働組合役員を対象に、日本国における最新の労使関係等に関する理解を深めるとともに、労使関係の強化・発展に向けた人的ネットワークの基礎を構築させることを目的にしました。

  同チームは、日本の最新の労使関係や労働慣行について学ぶ労働関係講義を受けたほか、各訪問先で労使紛争未然防止と建設的労使関係の構築に関する講義と意見交換を行いました。

  中央労働委員会訪問では労働委員会の機能や個別労使紛争の傾向等について、自動車総連訪問では日本の労使関係の特徴や労使対話の枠組みづくりについて、連合東京訪問では連合「なんでも労働相談ダイヤル」や一人でも入れる労働組合「連合ユニオン東京」の概要について、それぞれ説明を受け、その後、参加者は自組織の状況と対比しながら熱心に意見を交わしました。

  「労使対等・自治に基づく労使の取り組み」と題した労働事情を聴く会・拡大版には約40名が参加し、それぞれの出身組織から、労使紛争の具体的な事例や労使関係の現況について報告を受けました。
インド参加者からは契約労働者にかかる労働問題や自動車産業における労使紛争解決に向けた組合の取り組みについて、インドネシア参加者からは社会保障に関する労使交渉経過等の報告をそれぞれ受け、とりわけ労使コミュニケーションの重要性について強調しました。

  一方、マレーシア参加者からは職場で生じている労使紛争の特徴について、フィリピン参加者からはオートパーツの職場で発生した労働紛争の事例等について、それぞれ報告があり、組織強化をすることの必要性を述べました。

  なお、最終日のアクションプラン策定では、参加者から以下の提案が出されました。

・自組織の職場委員が主体となって、組合員を対象にしたワークショップを開催し、組合員の要望を聴く機会を設ける。(インド)
・日本では女性の労働問題に対する意識が非常に高いことを学んだ。自組織においても、労働協約の中に育児休暇など子育て女性の社会保障の充実を盛り込みたい。(インドネシア)
・新規採用の従業員が入社した際には、JILAFプログラムで学んだように、組合に加入するメリットについて、分かりやすく説明する。(マレーシア)
・労使紛争を防ぐために、職場委員や地方役員に、健全な労使関係の構築について報告する場を設ける。特に地方役員は、労働争議ありきではなく、労使協調の関係を重視することを強調したい。(フィリピン)

参加者の様子

自動車産業の建設的な労使関係の構築について学ぶ(自動車総連)

日本の労使紛争解決の仕組みを学ぶ(中労委)

労働相談の対応と集団的労使関係の構築について学ぶ(連合東京)