7月1日~2日および7月4日~5日に、国際労働財団(JILAF)はモンゴル労働組合連盟(CMTU)との共催で、モンゴルのウランバートル市と北部セレンゲ県スフバートル市において労使関係・労働政策セミナーを開催しました。これらのセミナーには、モンゴル工業・農業省政策課バヤルサイハン課長やセレンゲ県オルギル知事を含む関係者など、のべ約130人が参加しました。
本セミナーでは、冒頭にエルデネバトCMTU副会長およびアディヤ同事務局長、新妻JILAF副事務長が今次セミナーの主旨・目的等を共有しつつ、参加者を歓迎しました。
まずは、新妻JILAF副事務長が「日本の労働組合の課題と役割について」と題し、日本の労働組合の歴史、組織機構や活動に加え、政策実現に向けた政府及び使用者に対する要請行動等を概説しました。これに対し、参加者からは、日本の最低賃金の動向、政府との協議内容、組織化の方法、労使紛争解決のメカニズム、労働組合員の人材育成などについて幅広く質問や意見等が提起されました。次に、辻JILAFグループリーダーから、「日本の社会保障制度」について概説し、当地で実施中のJICA社会保険実施能力プロジェクトについても紹介しました。
CMTUからは、その将来方針に関して、アマガランバータルCMTU会長およびエルデネバト同副会長から説明があり、地域の労働組合の役割及び人材育成の必要性について訴えました。また、モンゴルの「労働法改正に対するCMTUの方針」と題して、過去からの労働法の変遷について解説した上で、政労使で合意できている事項と協議中の事項に整理しながら共有しました。
つづいて、アイマグ(県)やソム(郡)レベルでの活動報告および好事例報告、教育・医療・農業分野の産業別労働組合の活動報告等が行われ、積極的な質疑応答を通じて、参加者への情報共有が促進されました。
2日目の午後は、全参加者が6グループに別れ、グループ討議とその発表が行なわれました。いずれのグループにおいても、積極的な議論が行われました。CMTU幹部(会長、副会長)は、参加者からの発表を受け、JILAFの多大な協力に感謝しつつ、本セミナーを通じて学んだことをぜひ今後の活動に活かしてほしい旨を述べるとともに、参加者の意見を集約して、来年の活動方針に反映させる方針を表明しました。
最後に、新妻JILAF副事務長は、2日間の参加者の積極的な姿に最大限の敬意を表しつつ、ソムレベルの活動が当地においていかに重要かを認識したことや今後の活動への期待を述べ、本セミナーを締めくくりました。
月日 | 内容 | |
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07月01日 | 日 | セミナー1日目(会場:ウランバートル市) |
07月02日 | 月 | セミナー2日目(会場:ウランバートル市) |
07月03日 | 火 | |
07月04日 | 水 | セミナー1日目(会場:セレンゲ県スフバートル市) |
07月05日 | 木 | セミナー2日目(会場:セレンゲ県スフバートル市) |