インドINTUC/HMS労使関係・労働政策(IR)セミナー

セミナー集合写真

 5月29日~30日、国際労働財団(JILAF)はインドのチェンナイ市において、インド全国労働組合会議(INTUC)およびインド労働者連盟(HMS)との共催で、労使関係・労働政策セミナーを開催しました。セミナーには、関係者約50人が参加しました。

 本セミナーでは、冒頭にラジャスリダールHMS会長、デバラジャンINTUCタミルナドゥ州支部委員長、在チェンナイ日本国総領事館谷口首席領事、JILAF小山浩一参与が挨拶を行いました。その後、JILAF、INTUCおよびHMSそれぞれから、各国の労使関係に対する現状認識と課題、そして日本とインドの変わりつつある労働法の最新状況について説明しました。

 日本の建設的労使関係に関し、JILAF小山浩一参与が「次の発展ステージを構築するための労働組合の役割」と題し、その歴史、組織機構や活動(春闘や労使協議等)に加え、政策実現に向けた政府及び使用者に対する要請行動等を概括的に説明しました。これに対し、参加者からは、労働政策審議会のメンバー構成や政府の役割、団体交渉と労働協議の相違点、政策提言の内容と実際の政策への反映度、定年を含む高齢化社会への対応等に関する質問が多く寄せられたため、JILAF側から日本のケースや対応等について説明しました。

 つづいて、インド最大手の自動車ブレーキ企業であるブレーキインディアのクリシュナモルシー副社長が、インドにおける労使関係について自社の好事例を紹介し、労使間で十分なコミュニケーションを図り、お互いを理解することの重要性を述べるとともに、リーダーシップを持った組合リーダーを育てていかなければならないと強調しました。

 その後、小山参与から「日本の労働法概要」と題する講義を行い、日本の労働組合法と労働基準法について主に解説し、労働組合の結成要件や定義、労働組合の活動や労使紛争の解決システム、労働時間や解雇等について概略的に説明しました。

 また、識者からの講演として、ラマプリヤ弁護士が「インドの労働法改正と労働者への影響」と題して、インドにおける労働法の変遷、現在行われている労働法改正について解説し、労働者として念頭におきあるいは留意しておくべきことについての講義が行われました。これに対し、参加者からは中央政府と州政府の法律制定の違いなどについて質疑が寄せられ、ラマプリヤ弁護士から現状が説明されました。

 2日目は、全参加者が6グループに別れ、グループ討議とその発表が行なわれた。積極的な議論が行われ、労働運動の理解および使用者への情報発信、労働組合内の法律を含めた教育の重要性、労働条件の向上と従業員福祉の充実化/ルール化、女性従業員の積極的な活動参加、労働組合リーダーの育成や執行委員自身の関係法令についての知識向上、職場内の青年・女性に対するアプローチ強化等が発表されました。これらの発表を受け、JILAFから小山参与が改めて組合の存在意義および使用者との対等な関係に触れ、発表に対する見解等を述べました。

 全ての発表と討議の後、ラジャスリダールHMS会長から特別講話があり、その中でラジャスリダール会長は、連合及びJILAFとの間の長い友好協力関係について讃えた上で、「インドでは教育への理解が乏しいが、今次セミナーを通して、組合員同士はもちろんのこと、使用者と組合双方がお互いに話し合うことで、相互理解が進むので、これをきっかけに、今後、労使関係をどのように作るべきかを各職場でメンバーと話してほしい」と訴えました。

 これらを受けた閉会の辞で、小山参与は、「今次セミナーで培ったネットワークを大事にして、職場の悩みなどを共有し、今後の活動に活かしてほしい。」と述べ、本セミナーを締めくくりました。

日程

月日内容
05月29日05/29セミナー1日目
05月30日05/30セミナー2日目

参加者の様子

JILAF小山参与の講義「日本の労働組合の課題と役割」

デバラジャンINTUCタミルナドゥ州支部委員長の開会挨拶

ラマプリヤ弁護士の講義「インドの労働法改正と労働者への影響」

グループ討議の様子

グループ討議結果発表

ラジャスリダールHMS会長の特別講話