ベトナムVGCL労使関係・労働政策セミナー

グループ討議(ハノイ)

2018年1月10日ハノイ、1月12日ダナンにてベトナムVGCL/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーを開催した。

ハノイでは、JILAFを代表して小山参与より開会挨拶を行った。また、VGCL労使関係局長(幹部会メンバー)より、労働組合として社会保障政策を策定し、労使での話し合いや政府への政策制度提案に活かしていくことが重要であること、日本はベトナムへの最大の投資国であること(2017年)から、今後も日系企業とともに発展していくことを期待している旨を含めた開催挨拶があった。

その後、下記の6セッションを実施し、行動計画を策定してセミナーを終了した。
・日本の労働組合と労使関係
  日系企業からの参加者より生産性向上が労働強化につながっている一面があり、未熟な労働者をどうフォローすれば良いかなどについて質問があり、労働組合として労働者の意見をよく聴き労使で「話し合い」することが重要であると回答した。
・ベトナムの社会保険(ベトナム社会保険庁・トゥー次長)
非正規労働者が多く、加入率が低いのが最大の課題、加入率を高めるため、契約労働者
の加入義務を3か月以上から1か月以上に短縮する等対応中(ベトナム語入手)
・日本の社会保障制度概要と社会保険(小山参与):社会保険制度中心に説明
・社会保障権益確保に向けた労働組合の取り組み(VGCLクアン労使関係局副局長)
・ハノイ市輸出加工区労組(工業団地9、労働者約150,000人、専従役員11名)報告
  課題は社会保険料の滞納(滞納しているのは4社。日系0、米系1社、中国系2社、ベトナム1社)、労働組合の役割は重要(督促する)。
・ハイフォン市企業別労組(豊田合成ハイフォン)からの報告
  2018年1月の社会保険法改正施行に向け労使関係は良好で、社会保険関係の変更についても連携して取り組んでいることについて報告があった。

・グループ討議・行動計画の策定
  労働者の理解促進、雇用主の負担増対策としての保険料対象賃金の操作(基準内賃金を
低くし手当などで支給→2018年1月からの法改正で対象になる)、監査機能の強化、法律に関する労組の能力向上、監査部門と連携した実地調査・書類確認、一般労働者から熟練工への育成による保険の安定性確保、滞納に対する労組の対応策、役割・機能の明確化、政策実施の際の監査への参加、VGCLの社会保険での役割強化に向けた社会対話等
の取り組みについて発表があった。

・閉会式ではJILAF小山参与、VGCLクアンIR局副局長がコメント・挨拶し、小山参与は社会保障については世代間の利害対立調整の難しさがあり、ベトナムでも今から準備し、労働者全体の利益のための調整をすることが重要であることを強調した。アン副局長からはJILAFとの引き続きの協力、参加者への感謝が述べられた。

ダナンでは 開会式で参加者紹介、小山参与挨拶、記念撮影が行われた後、下記の7セッションを実施し、行動計画を策定してセミナーを終了した。
・日本の労働組合と労使協議について
・ダナン市における社会保険の状況について(ダナン社会保険局フォン次長)
・ダナン市傷病労働省の取り組み(ダナン市労働局フン氏)
・日本の社会保障制度と社会保険について(JILAF小山参与)
・ダナン市労働組合の役割と課題
  ダナン市の企業は約4,500社、社会保険加入者は約20万人、国営企業以外で支払って
 いない企業があり、滞納は約1,800社。社会保険制度にとっても労働組合にとっても
大きな課題。これまでは3か月以上の雇用契約で納付が必要だったが、この1月から1か月以上が対象となり、いかにこの制度を広めるかが労働組合にとっても重要。
・社会保険における労働組合の役割(VGCL本部本部IR局バンクアン部長)
  社会保険が破綻するとの新聞報道があったりするので、労働組合として社会保険は労
働者を保護するものであることをしっかり組合員に伝えることが大事。
  その他:現在、5件のストライキ:ハノイ2件、ドンナイ省2件、中部1件。
・工業団地労連(フエ省トゥアティン工業団地)の取り組み
・グループ討議と発表(JILAF関口タイ所長、VGCLロン部長)

  ここまでの報告を聞いて、企業内における取組としては、労使関係の強化、関係機関との連携、キャパビル(労組、関係機関)、制度強化、企業内の加入率向上、広報・宣伝、労使の認識向上、罰則強化、監査。社会的取組としては社会的弱者対策、法律遵守の検査・監査、監視活動強化、宣伝による理解促進、加入率向上啓発活動、違反対策提案、法律の不備改善提案、キャパビル(労組)社会保障システムのカバー率向上、雇用の安定、賃金改善(生活安定)、社会保障に関する透明性、公開性、持続性等の強化、保険のメリットの説明などの報告があった。

・閉会式挨拶の中で小山参与は、良質な雇用こそ最大の社会保障であること、労働者の連帯を通じて相互に思いやりを持ち、助け合うことが社会保険制の土台前提であること、取り組みを通じてより団結し、良好な労使関係の構築に繋げて頂だきたいことをコメントした。

日程

月日内容
01月10日01/10セミナー(ハノイ)
01月11日01/11
01月12日01/12セミナー(ダナン)

参加者の様子

開会式(ダナン)

グループ討議(ダナン)

閉会式(JILAF挨拶)