2017年7月23日~8月5日の日程で、カザフスタン・トルコ・ウクライナより3ヵ国計9名(うち女性5名)を招へいした。
14日間の行程では、参加者は、JILAFにおける労働講義のほか、連合本部、UAゼンセン、厚生労働省、日本生産性本部を訪問したほか、地方プログラムでは連合長野ほか県内関係各所を訪問し、わが国の労使関係、労働事情全般について見聞を広げた。参加者は、生産性運動や労使協議会など日本的労使関係、労働法や社会保障制度、労働金庫や労働者共済についても高い関心を示しており、アクションプランの発表にも表れていたように、こうした日本の事例を帰国後に紹介し、自国での運動に活かそうという意欲がみられ、質問が多くだされた。
プログラム前半では、労働組合リーダーとしての問題意識に関する提起、日本の労働組合運動の役割と課題、日本の社会・労働法制について講義が行われた。連合および産別組織(協力:UAゼンセン)への訪問と講義では、最低賃金や組織化について理解を深めることができた。質疑・意見交換では、中央組織と地方組織の関係や、青年活動、非正規労働者の組織化等をめぐって対話が行われた。
労働事情を聴く会では、各国から労働情勢や、ナショナルセンター・産別が抱える課題等につき報告があった。カザフスタンは、FPRKにおける非正規、最低賃金、安全衛生への取り組み等を紹介した。トルコは、TURK-ISによる退職基金制度や組織化への取り組み、及び警備業界や航空業界でのそれぞれの産別の取り組み等を報告した。またウクライナは、石炭鉱山労働者独立組合による、安全衛生や賃金未払い問題への取り組みを中心に報告した。
地方プログラムでは2日間にわたり長野を訪問し、連合長野、ハローワーク長野、職業訓練校、長電テクニカルサービス株式会社須坂工場(長野電鉄グループ)、長野労金を訪問した。各所では、事業や取り組みの紹介のほか、女性の参画、個別紛争に関する相談、組織拡大等にわたって対話が行われた。とくに長野テクニカルサービス株式会社須坂工場では、労使双方による説明と対話が設けられたため、日常の労使関係について理解を深められたほか、職場の安全管理や従業員の満足度等について質問・意見が出された。
終盤では、生産性本部ならびに経団連、全労済協会からの講義を受け、生産性三原則を切り口として、三者あるいは労使での対話の重要性が参加者により認識された。日本的労使関係と具体的な労使の行動等について関心を示し、意見交換が行われた。すべてのプログラムの終わりに、参加者からは、主に以下のアクションプランが提案された。
・労働法や労使関係等の講義を、大学や単組で行なう。
・経営者団体と連携し、労働組合の影響について調査する。
・単組レベルで労使協議制を導入する。
・春季生活闘争のような仕組みを導入する。
・生産性向上や労働条件改善を使用者側と協議する。
・生産性本部の活動を紹介し、導入を指向する。
・労働金庫のような組織の導入を検討する。
■ | 連合長野 | ■ | 長電テクニカルサービス株式会社 |
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■ | UAゼンセン | ■ | 全労済協会 |
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