建設的労使関係強化・発展チーム(タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア)

自動車総連訪問

 2017年6月4日から6月13日の日程で、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの4ヵ国から計9名(うち、女性4名)を招へいした。本チームは、日系企業に限定して所属労働組合役員を招へいし、日本の労使関係、労使慣行、労働法制、人事労務管理、労働事情等に関する理解を深めると共に、人的ネットワークの基礎を構築することを目的とし開催したものであり、こういったチームを招へいするのはJILAFとして初めての試みであった。
 
 労働講義では、戦後日本の労働組合の歴史や春闘をはじめとする日本の労働組合の運動、日本の最低賃金制度、労働法制、民主的な労働組合の運営などについて学習した。参加者は日系企業労組の役員であり、日本の労使関係についてもある程度は承知していることもあり、今回のプログラムを通じ、日本の良好な労使関係が自国の労働運動にはどう活かせるのかを見出そうとする意欲が感じられた。自動車総連訪問では、組織の概要、産別の役割・取り組み等の説明を受けた。自動車部品関連企業からの被招へい者も複数参加しており、強い関心が示され、自動車産業における非正規社員の実態や、同一価値労働同一賃金の概念等、積極的な質疑がなされた。

 労働事情を聴く会拡大版(6月9日)では、各単組における「労使対等・自治の原則における労使の取り組み」を中心テーマとして実施し、労働組合、企業等から約50人が参加した。被招へい者からは、①企業年金基金制度の充実や医療制度の負担引き下げ、②スポーツイベントやCSR等の活動、福利厚生の充実、③組合費のチェックオフ導入、「タイランド4.0」(労働力の機械化)に伴う雇用削減を配置転換で補った事例等の報告がなされた。

 役員との意見交換では、JILAFより、「使用者側に協力できる点や譲れない点を組合員の意見として伝え、労働条件の向上につなげてほしい。」、「組織化に関するアクションプランが多かったが、組織運営には財政基盤の強化も重要であることを付言したい。」とのコメントがあり、参加者から「短期間の研修だったが、日本の労使関係に関してさらに理解を深めたかった。」等の意見・要望等があった。

今回ご協力いただいた関連機関一覧

自動車総連

皆さまどうもありがとうございました。

参加者の様子

JILAF講義の様子

連合訪問

JILAF役員との意見交換