6月5日から6月18日の日程で、アジアユースチームを招へいした。今回はインド・モンゴル・フィリピン・ベトナムの4カ国6組織から8人(うち女性5人)の参加となった。
アジアユースチームの目的は、各国労働運動の牽引役として将来を有望視されている若手労働組合活動家を招へいし、日本の労使関係や労使慣行、生産性向上と雇用安定の取組等の理解を促進することに加え、建設的な労使関係の構築と民主的な労働組合運営などについて必要な情報を提供していくことにある。
今回の参加者は、労働組合におけるキャリアも違ったが、お互いを尊重し助け合うチームであり、休み時間を利用し、講義内容や参加国の労働事情について相互理解を深めていた。一方、講義内容からヒントを得て、オルガナイザー教育用資料を充実させて冊子化し、労働組合のみならず、大学等の教育機関への配布を計画した参加者もおり、参加者の真摯な姿勢と研修効果を実感させられた。
労働講義では、戦後日本の労働組合の変遷や春季生活闘争などを含む日本の労働運動、労働法制などについて学習した。厚生労働省訪問では、雇用および働き方と労働行政の役割についての講義を、つづいて連合訪問では、非正規労働者に関する講義を受けた。とりわけ、連合の「労働相談」や課題解決に向けた「社会的アピールとネットワークづくり」等、具体的な取り組みについての関心が高く、参加者より「施策実施の効果」や「若者の反応」などについての活発な質疑があり、自国への展開も視野に入れた意見交換がなされた。
産別訪問では、全印刷を訪問し、説明を受けた。なかでは組織率が100%である理由や中央本部と地方がそれぞれ締結している労働協約のあり方、「青年女性活動」の取り組み等についての関心が高かった。とくに「青年女性活動」の取り組みは、「とても刺激になりヒントをもらえた」との感想もメンバーから出された。
つづいて、国立印刷局東京工場を訪問し、工場見学と労働組合との意見交換を行なった。中では、「めったに見られない工程をみて貴重な経験になった」との感想や、職場改善に向けた労働組合の具体的な活動についての質問があった。
また、研修効果を高める一助として、昨年のJILAF国際活動家養成コースの受講生4名を迎え、若年雇用等に関する意見交換を行ない、各国で抱える若年雇用問題や具体的な対策について共有化を図ることで、日本と同様に、それぞれの国で抱える非正規労働者の課題が浮き彫りになった。さらに、参加者からは「若年層のジョブミスマッチを回避すべく、さらなる英語教育を推進していくことが重要」等の具体的提言がなされた。
連合香川プログラムでは、UAゼンセン香川県支部を訪問し、UAゼンセンの組織拡大の歴史や組織概要について説明を受けた。また、連合香川では、地域経済の発展、組織化等の活動について説明を受けた。ハローワーク高松では、失業者等に対する実際の支援体制について学んだ。翌日の三菱電機受配電システム製作所の訪問では、製造現場の視察および職場環境対策について説明を受けた。そのほか生産性本部、経団連、全国労働金庫協会などを訪問し、それぞれ説明を聞き、意見交換を行なった。
プログラム最後の「アクションプランの提言」のなかで、参加者からは、(1)日本で学んだ労働法制や労使協議制を青年委員会で紹介し、組合活動への理解を広めたい、(2)日本で学んだことを共有するセミナーを現地で開催し、日本の労使慣行や建設的労使関係などを共有するとともに、非正規労働者の組織化にも注力したい、(3)組織化の推進に向け、オルガナイザー教育用の資料を作成、冊子として発行したい、(4)使用者と積極的に意見交換すべく、労使協議制の導入を促していきたい、等の提案がなされた。
■ | 全印刷 | ■ | 国立印刷局東京工場 |
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■ | 連合香川 | ■ | UAゼンセン香川県支部 |
■ | 三菱電機受配電システム製作所 | ■ | 日本生産性本部 |
皆さまどうもありがとうございました。 |