国際労働財団(JILAF)は、招聘事業・普及セミナーを8月3日、チリ・サンティアゴで開き、過去の招聘プログラム参加者や労働組合指導者など31人が参加した(過去の招聘プログラム参加者は8人)。JILAFがチリで現地セミナーを実施するのは、初めてのことである。
このセミナーは[1]過去の招聘プログラム参加者が日本で学んだことを帰国後、どのように活動に活かしているか調査する[2]日本および招聘対象国の労働情勢や労働運動に関する意見交換を行ない、両国間の連帯と連携を強化する――ことを目的としている。
現地組織を代表して、チリ中央統一労働組合(CUT)・マヌエル ディアス副会長兼国際局長は、「チリでJILAFの現地セミナーがはじめて開かれることをうれしく思う。招聘プログラム参加者は帰国後、日本で学んだことを活かし、労働運動発展のため活動を展開している。今後もJILAFとの友好関係をさらに発展し、両国間の連帯を強化させていきたい」とあいさつ。続いてJILAF・高橋専務理事は、「3月11日に発生した東日本大震災でチリの仲間の皆さんから、多くの激励をいただいたことに感謝したい。JILAFはこれまでCUTから26人を招聘し、組織の歴史や活動状況、チリの直面する課題など、労働事情を聴く会を通じて、両国の共通の課題を認識している。日本とチリの労働運動がお互い身近なものとし、今後も連帯して活動を展開していきたい」と述べた。
引き続き、高橋専務理事から、「日本の労働運動の現状と当面の課題」「東日本大震災について」と題した講義が行なわれ、参加者からは「組織拡大の状況」「団体交渉・労使協議のあり方」など、多くの質問が出された。
次に招聘プログラム参加者の帰国後の活動報告では、「日本で学んだ社会保障制度や失業者対策を自国でも取り入れられるように活動している」「日本の労使関係を取り入れたら経営側との関係が改善した」「チリでは日本のイメージは歪められていた。実際に訪問して日本のイメージが良い方向に変わった」などの感想が聞かれた。
最後に参加者から、「今回のフォローアップセミナーは、両国間の社会経済状況、労働組合の課題を意見交換することができ大変有意義な経験となった。今後も招聘プログラムを継続し、両国間の連帯強化につながるプログラムにしてほしい」との意見も多数聞かれた。
月日 | 内容 | |
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08月01日 | 月 | チリ中央統一労働組合 訪問 |
08月02日 | 火 | チリ労働省訪問 |
08月03日 | 水 | 普及セミナー |
08月04日 | 木 | CUT加盟組織の工場訪問 |