トランプ政権に対し試用公務員24,000名への復職命令判決
3月17日のニューヨーク・タイムズは「米国連邦地裁はトランプ政権による大量解雇は違法だとして、18省庁の少なくとも24,000名の試用公務員の復職を命じた」と報じた。
この判決はメリーランド州の連邦地裁が下したものだが、イーロン・マスク氏による連邦公務員削減の動きに多くの訴訟が提起されている。他方、政府担当者は上訴により判決が覆る可能性から今後の混乱を指摘する。
メリーランド地裁への提訴は3月初めに20州の民主党司法長官から出されたもので「トランプ政権は18省庁の試用公務員数万名を違法に解雇した。解雇は失業労働者を保護するための州法を無視する方法で行われ、大きな経済的損失を生じさせた。大量解雇の際に必要な60日間の事前通知もなかった。解雇理由は業績不良とされるが実際は連邦政府全体の縮小と再編成を狙ったものだ」と記述されている。
この復職命令判決に対し米国司法省は17日、直ちに第4巡回上訴裁判所にアピール、緊急の判決停止を求めたが午後9時半現在、緊急停止判決は出されておらず、判決に従うか制裁を受けるかの状況に立たされている。同時にカリフォルニア連邦地裁でも復職が命じられ、司法省が緊急停止を求めたが、2対1の判断で緊急停止は否決された。カリフォルニアの場合は2月の人事管理局による解雇通知が違法とされ、農林省など6省庁での復職命令は停止できないことになった。こうした状況の中で復職通知を受け取った者もいるが、多くの公務員には復職通知が未だ届かない。
ここで言われる試用公務員だが、各省庁には公務員試験合格の公務員のほか、1年ないし2年の試用期間の公務員が多く存在し、その数は全体の11%、250,000名とも言われる。
試用公務員は採用から1年間は試用期間に置かれ、2年目に入る者もあるが、こうした弱い立場からトランプ政権による職員解雇の対象となっている。上司による任意の解雇も可能で、言語を理由にする場合や政治的理由、不当差別などもあると言われる。
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