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カナダ郵便のストライキ4週近く、解決見えず

2024.12.27掲載

12月9日のCTVニュース、14日のニューヨーク・タイムズなどが「4週間になるカナダ郵便のストライキに解決の見通しが見えない」として次のように報じた。

 

11月14日に始まった55,000人によるカナダ郵便労組(CUPW)のストライキは調停に持ち込まれたが、双方の主張の隔たりの大きさから、調停は2週間前に中断された。

産業界からは政府介入の要望が強く出されているが、港湾争議の際には強制裁定を実施した政府が今回は直接介入を拒んでいる。郵便ストの影響を特に強く受けているのは遠隔地の住民や先住民地域だが、日常の食品や薬品に関わる健康問題、米国との取引に伴う税申告も出来ない状態にある。

 

争点は賃上げと雇用保障と言われ、郵便公社は妥協案を提示したが隔たりは大きく、そのためクリスマスを控えた大量の郵便物が滞ったままである。その間、CUPWはストライキ労働者がレイオフされたとして、労働関係員会に不当労働行為を訴えたが、公社側は一時的なレイオフだとコメント、詳細は明らかにされていない。

 

マッキノン連邦労働相は今まで「交渉の妥協点は労使双方が見つけ出すものだ。調停は双方が妥結に向けての充分な証明が出来上がった時に再開されるが、その兆しは未だ見えない」と語っていたが、事態の長期化に際して「独立機関の労働関係委員会が交渉行き詰まりと判断した場合の職場復帰命令を要請した。来週には解決されるだろう」と述べた。その場合は現行協約が来年5月まで延長されるが、CUPWは政府介入に強く反対している。

 

交渉上の問題点は、巨額の赤字解消のために週末の残業代支払いを避けようとして採用したパートタイム労働者問題、また賃上げについては、当初の4年間24%から19%に引き下げた労組要求に対する公社回答の11.5%と言われる。

カナダ・ポストの赤字は2018年から30億ドル(US21億ドル)に膨らんでおり、来年初めには運転資金も枯渇するとされるが、原因は零細事業者に小包郵便事業を奪われたためと言われる。