フォルクスワーゲンの経営悪化の中、ストライキの脅威
10月30日のニューヨーク・タイムズは「第3四半期のフォルクスワーゲン(VW)社の収益が42%の大幅低下を見せる中、IGメタル労組はストライキを警告した」と報じた。
Audi やPorshe など10ブランドを持つドイツ最大の自動車メーカー、VW社は12万人の従業員を雇用してドイツ経済、地域経済に重要な影響を与える。その同社が30日の第2回目労使交渉前に「今年8ー9月の利益は過去3年間で最低の28億6,000万ユーロに低下した。理由は最大市場の中国での売上低下とドイツ国内でのコスト高による」と発表した。
7時間に及んだ労使交渉の後、会社担当者は「会社は10%の賃下げとボーナス減額を求めながら、国内10工場の操業継続について討議した」と語った。労働組合は交渉前に「全10工場の操業継続の保証がなければストライキに突入する」と言明しているが、協約上は11月末まではストライキは出来ない。
しかし、IGメタル労組の主席交渉担当グリューガー氏は「10工場の操業継続が無ければ、交渉手段の拡大を協議しなければならない」と語った。
去る28日にVW労使協議会のカバロ労働側代表が明らかにしたところでは「会社は労使協議会に対して3工場の閉鎖と数万名のレイオフを計画していると告げた」とされるが、これは同社87年の歴史の中でも初めての事であり、低迷するドイツ経済にも更なる打撃を与える。
カバロ代表はまた「工場閉鎖回避に応じる会社の態度は正しい方向への第一歩だが、解決には程遠い状態だ」と語った。