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スウェーデン・テスラ自動車の会社申し立て、裁判所が棄却

2024.11.05掲載

昨年11月23日のJILAFメルマガで報じたスェーデン・テスラ自動車の労使紛争だが、10月11日のニューヨーク・タイムズは「裁判所は憲法により労使紛争に介入できないとして、司法介入を求めた会社申し立てを棄却した」と伝えた。

 

テスラ自動車の労使紛争には各労働組合が協力体制を敷いているが、PostNord郵便労組はテスラ労働者支援のために会社への郵便物の配達を拒否、自動車のライセンスプレートなどが届かない状況が続いている。これに対しテスラは司法による解決を求めたわけだが、これを拒否された。

 

問題はスウェーデン金属労組が全国的に結んだ団体協約の受け入れをテスラ自動車が拒否し、会社独自の労働条件を実施しようとして組合員の反発を招いたことにある。このため、テスラ自動車数か所のサービスセンターのメカニックが1年前にストライキに入り、これに同調する全国の労働組合が支援体制を敷いている。

スウェーデン・テスラは車の生産は行わず、販売のみを行っているが、販売シェアではノルウエー、アイスランドに続いて3番目を占め、ストライキにも拘らず、今年9月までの売り上げは前年比1%増の16,478台であった。

 

しかし労働者の70%を組合員に持つスウェーデン労働組合の力は強大で、メカニックが所属するIFメタル労組との労使交渉拒否は団体協約に基づき産業活動を進める国のシステムを損なうものと見なされる。

 

裁判所判決は「スウェーデン憲法は労使紛争への国の介入を禁止しており、労働市場における関係者は実力行使の権利を持ち、政府は介入できない」と述べている。

SEKO(サービス・通信労組)が代表する郵便労組は、運輸省発効の新規プレートなど全ての郵便物のサービスを停止している。その他、港湾労働組合は同社自動車の荷揚げを拒否したが、同社は陸上輸送に切り替えている。ライセンスプレートは顧客に配送され、顧客が取り付けている。

 

SEKO労働組合の会長は今回の判決を歓迎し「今後ともIFメタルへの支援を続け、テスラにはメカニックとの合意を呼びかけてゆく。テスラは馬鹿げた行為を止めにして、スウェーデンの団体協約モデルを尊重すべき時だ」と述べた。会社は判決に対して3週間以内に上訴できる。