2023年度 マレーシアの労働事情(フィリピン・マレーシアチーム)
本労働事情については、招へいプログラム「フィリピン・マレーシア」チーム参加者から行ったヒアリング結果を基にまとめたものである。
参加者情報
マレーシア労働組合会議(MTUC)
基本情報
- 人口
約3,350万人(2023年マレーシア統計局)
- 宗教
イスラム教(連邦の宗教)64%、仏教19%、キリスト教9%、ヒンドゥー教6%、その他2%(2023年マレーシア統計局)
- 政体
立憲君主制(議会制民主主義)
- 主要産業
製造業(電気機器)、農林業(天然ゴム、パーム油、木材)及び鉱業(錫、原油、LNG)
- 名目GDP
17,913 億リンギット(マレーシア統計局)
- GDP成長率
8.7%(外務省 令和6年1月4日更新情報)
- 物価上昇率
3.0%(外務省 令和6年1月4日更新情報)
- 失業率
4.8%(外務省 令和6年1月4日更新情報)
労働事情
マレーシア労働運動の最近の傾向
マレーシアは、組合役員の高齢化とともに、組合指導者はマレー人が多いため英語が出来ないという問題がある。マレー人が多いという理由はマハティール時代に遡る。以前は労働組合役員というとインド系が多かった。しかし徐々にマレー人優遇政策の下、マレー人が増えて行った。また、マレー語優先の教育政策も影響を与えている。今の世代は、マレー語を基本とするように小学校から指導されており、中国系、インド系にとっては負担である。また、大学進学もマレー人にはクォータが与えられる。マレー人の地位が向上し、組合においても高い地位を占めるようになったのは良い事だが、反面マレー語しかできない人々が増えてしまった。教育政策がこういう所にも影響を及ぼしている。
マレーシアの組合の形としてはMTUCの下に産別があり、その下に企業別労働組合があるという、日本と同じ構造が作られている。