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UAWが海外企業3社を不当労働行為で提訴

2024.01.11掲載

12月11日のニューヨーク・タイムズ及びビジネス雑誌のFORBESが標題記事の中で「ホンダ、ヒュンダイ、フォルクスワーゲンの工場において労組結成支持の従業員に対する不当な干渉がある」とするUAW(全米自動車労働組合)による全国労働関係委員会(NLRB)への提訴を報じた。

3社ではUAWへの労組結成の話し合いが妨害され、論議した者は差別されたと言う。
2週間前、UAWは海外企業10社に加え、テスラと新興EVメーカーのルシードとリビアンの電気自動車メーカーへの労組結成を言明したが、こうした多数かつ同時的な取組みは初めてである。

UAWはホンダ・インディアナ州グリーンズバーグ工場及びヒュンダイ・アラバマ州モンゴメリー工場で数百名、フォルクスワーゲン・テネシー州チャタヌーガ工場では1,000名以上の労組加入署名を得たとしつつ、「ホンダでは管理職による労働者の労組結成活動の監視、ヒュンダイでは管理職が労働時間外の職場以外の場所においても組合資料の没収・破棄・禁止が行われ、またフォルクスワーゲンでも労働組合活動に関しての話しをする労働者へのハラスメントや脅迫があり、ホンダ同様に、休憩室にある組合資料が押収・破棄された」という。

これに対し、フォルクスワーゲン社は「この件を真剣に捉え、調査する。会社は職場を代表する労働者の発言の権利を尊重する」と述べ、ホンダ社は「UAWの活動を行う権利を有する社友(our associates)の活動を妨害することはない」と言明、ヒュンダイ社は「UAWが発表した内容は正確ではない。労働者は法的権利として労組加入、非加入が選択できる」と述べた。

これに対しUAWフェイン会長は「これらの会社は法律を無視して、労働者の権利のために戦う労働者を妨害しようとしているが、労働者は会社に対して労働条件などについての発言権や、組織化の権利を保持していくことを表明している」との声明を発表した。

UAWはデトロイト3(3州3拠点)との協約交渉で46日間のストライキの後、記録的な賃上げと諸手当改善を成し遂げたが、それに続きトヨタ、日産、BMW 、メルセデス・ベンツ、スバル、マツダ、VOLVOの組織化を方針に挙げている。
UAWの新協定では、現在の時給32ドルが4年半で40ドルに昇給するが、米国の外国企業は20ドル弱から30ドル弱に止まっており、新協定が締結された後、ホンダは来年に11%の賃上げ、ヒュンダイは来年に14%、2028年までに25%の賃上げ、トヨタも賃上げを表明した。