バングラディッシュITUC-BC/JILAF労使関係セミナー
国際労働財団(JILAF)は、国際労働組合総連合バングラデシュ協議会(ITUC-BC)との共催で、5月10日~11日にバングラデシュのダッカ市において、労使関係セミナーを開催しました。同セミナーには、全国の労組指導者など45名が参加しました。
セミナーでは、労使関係と社会保障をテーマとして、バングラデシュ労使関係の考察、ジェンダー平等、労働者の団結権、社会保障制度など幅広い内容で講義・グループディスカッション等を行いました。
バングラデシュ労使関係の現状セッションでは、労働協約の遵守が必要なこと、女性の社会参加の高まりや経営者のCSR意識向上なども踏まえて、労働法改正や社会保障制度の拡充・加入者増大に労使で取り組むべきとの意見が出されました。
ジェンダー平等と若年層の雇用セッションでは、女性差別や児童労働、若年結婚の改善に向けて、若者への教育が重要であるとの意見が出されました。また、労働法の現状課題に関する意見や、労働者権利の保護と団結権をILOが推進しているとの説明がされました。
その後、バングラデシュ労働省ダッカ労働局長が、労働省による社会保障の取り組みを説明すると共に、主に繊維などの輸出産業向け労災・失業補償制度を紹介しました。
セミナー2日目は、ITUC-BCがディーセントワークの概念を説明し、しっかりとした労使交渉を行うことが良好な労使関係に繋がると強調すると共に、JILAF斉藤事務長が日本の労働運動の歴史と役割について講義を行いました。
グループワークでは、建設的な労使関係構築に向けて、労働法の整備、最低賃金制度の徹底、職業訓練の拡充、労働協約の締結と遵守、労働法のインフォーマルセクター労働者への適用拡大などの意見が出されました。
閉会式ではJILAF相原理事長が、「労使関係は鏡であり、労使が互いに高めあう努力が必要」と述べました。続けてITUC-BCレポン事務局長ほか関係者が、今後も建設的労使関係の構築に取り組むことを述べて、セミナーを終了しました。