中国ACFTU/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーのオンライン開催
国際労働財団(JILAF)は、10月27日に中華全国総工会(ACFTU)との共催で、労使関係・労働政策セミナーをオンライン開催しました。同セミナーにはACFTU役職員や加盟組織リーダーなど39人が参加しました。
セミナーでは参加者の紹介に続いて、西野連合Wor-Qサポートセンター長から「“曖昧な雇用”の現状と、それへの連合の取り組みについて」と題して講義があり、日本の曖昧な雇用の現状等について、実際の相談内容を紹介しながら、当事者のニーズを丁寧に収集していることやそのニーズに基づいて具体的対応を実施していること、組織化の方法等について共有しました。
中国側からは中国労働関係学院教授が「曖昧な雇用を含んだ“新産業”における労働者の組織化と労働・労使関係」について報告しました。その特徴点として、①中国も日本と同様、インターネットを通じて仕事をする人が増加しており、その人たちは長時間労働、低賃金、セーフティーネットの未整備などの様々な課題に直面している。②ACFTUはそれらへの対応方針を2021年に定め、最優先事項として組織化に取り組み、労働組合法も改正した。③組織化にあたっては、インターネット窓口の開設など加入の間口を広げるとともに、プラットフォーム企業ごとの組織化、地域ごとの組織化等など多角的な取り組みを進めた、等に言及されました。
質疑応答・意見交換の時間では、日本の労使関係の構築状況やフリーランス向けの共済制度、日本・中国双方の組織化にあたっての課題等について積極的な情報交換が行われました。
閉会にあたって、ACFTU国際部副部長は「世界中が大きな変化の渦の中にあり、それはコロナ禍でさらに大きいものとなった。曖昧な雇用の増加はまさにその変化の一例であり、この課題に労働組合がどのように対応するか、どのような労使関係を構築するかは中国や日本のみならず世界的な課題になっている。そのような中、本日は双方で関心の高いこの課題について情報や意見を交換できたことは極めて有意義であった。この間のJILAFのご協力に感謝するとともに、今後も関係を継続していきたい。」と挨拶しました。
JILAFからは元林常務理事兼事務長が、本日の全ての参加者に感謝の意を表するとともに、本日の内容は日本・中国双方にとって大変有意義であり、それぞれ今後の活動に活かして欲しいと挨拶し、セミナーを閉会しました。