250万ドイツ公務員労組が賃上げで合意
4月20日付けのロイター、23日付けのワシントン・ポストなどがドイツ公務員労組の賃上げ交渉について次のように報じた。
250万人を代表するドイツ公務員のVer.di労働組合は、物価上昇に見合う賃上げを要求して、地方鉄道や病院等の公共施設で断続的に数回のストライキを繰り返してきたが、22日に政府との合意に達した。
ドイツでは昨年以来、ここ数十年で最も激しいストライキが発生し続けている。これは、ウクライナの紛争によりエネルギーと食料の価格が高騰することで、生活費に見合った賃金上昇を労働組合が求めているためである。
Ver.di 労組の要求は、当初10.5%の賃上げだったが、先月の交渉決裂の際に裁定に委ねられ、妥結内容は結果的に裁定案をベースとし、一時金3,000ユーロ(3,300ドル)が6月の1,240ユーロを第一回の支払いに、分割で来年2月までに支払われ、3月には200ユーロの昇給、4月からは最低340ユーロ以上とする5.5%昇給で、2024年末期限の協約を締結することとなった。
妥結について同労組のベルネケ会長は「限界ぎりぎりの譲歩だが、来年の連邦・都市公務員の昇給額は11%以上となる」と語った。ドイツの物価上昇率は昨年末の最高から今年3月には7.4%を記録している。
Ver.di労働組合の他に、ドイツではEVG鉄道労働組合(23万人)が12%の賃上げを要求して断続的なストライキを繰り返しており、14日には22,500人が国有のドイチェバーン及び49の民間鉄道を対象にストライキを決行、裁定も拒否した。ドイチェバーンは5%を提案している。
その他、Ver.di労組は、空港警備企業協会との協約交渉の最中にあり、24日にはベルリン空港でのストライキを予定しており、空港での発着は全便キャンセルとなった。