カナダCN鉄道で2週間のストライキ、VIAレールのストは直前に回避
6月20日のウォールストリート・ジャーナル、7月4日のCBCニュースなどが「カナダ・ナショナル鉄道(CN鉄道)において国際友愛電機労組(IBEW)加盟の信号・通信関係労働者750名がストライキ」と報じた。
3年間の労働協約交渉で、会社からの賃上げ回答10%に合意が成立せず、IBEWは72時間前の6月15日に事前通告を行い、18日からストライキに入っていたが、2週間後の7月5日にストが終了した。
交渉には最終合意が成立せず、両者は強制裁定に委ねる事にしたが、会社はストライキの間、緊急事態体制を敷きながらも運行が安全かつ正常に行えた事について関係者に謝意を表明した。
CN鉄道は2019年11月にもチームスター労組の3,000名組合員による8日間のストライキがあり、北米全土で運行が停止したことがある。
北米大陸の大手であるCN鉄道は、農産物、工業製品、石油、化学製品、鉱産物、木材など毎年3億トンをカナダからメキシコ湾に至る地域で輸送するが、経済への影響が大きいため、米加両国の産業界から早期解決が強く要望されていた。
他方7月8日に至り、乗客輸送を担うカナダ大陸横断鉄道(VIA鉄道)において、UNIFOR労組加盟の2,400名組合員が11日午前12:01分からのストライキを通告した。車両整備、乗務員、シェフ、営業、カスタマーサービス関係の組合員で、スト権投票は99%以上の賛成を得て確立された。
カナダ最大の民間労組であるUNIFORによると争点は雇用保障と言われるが、会社側は「誠意を持って交渉に当たるが、妥結出来ない場合は運行停止も止むを得ない」と言明した。11日早朝からも精力的な交渉が続けられ、同日夜半になって暫定合意が成立、ストライキは回避された。妥結内容は明らかでない。
CN鉄道はカナダ・米国で貨物輸送を担い、従業員は24,000人、最大株主はビル・ゲイツ氏。VIA鉄道は国有でカナダ横断の乗客輸送を担い、従業員は3,200名、年間450万人の乗客を扱っている。