ツイッター社の大量解雇、アマゾン、メータのレイオフ
11月3日のCNN、 4日のワシントン・ポスト、11日のヤフーニュースなどがツイッター社の大量解雇、また14日のニューヨークタイムス(NYT)、ウォールストリートジャーナル(WSJ)がアマゾン社、メータ社のレイオフについて報道した。
ツイッター社については、イーロン・マスク氏が1週間前に買収した同社従業員7,500名の半数に当たる3,700名の解雇を発表したが、通告は主に自社メディアを通じて行われた。これに対し、多くの従業員が集団提訴の構えにある。
解雇についてマスク氏は「従業員を解雇せざるを得ない状況にある。会社は1日に400万ドルの損失という深刻な収支状況にあり、解雇で4億ドルの経費削減ができる。解雇手当は3か月分だ。」と述べた。
解雇されたある従業員は「通告は午前3時頃にEメールに書き込まれ、署名はツイッターとされていた。マスクによる買収で会社の精神は失われると感じ、退社の覚悟はできていた。彼は会社を駄目にした」と言う。
CNNによると、別の従業員は「ツイッターがエチオピアやアフガニスタン、ウクライナなど、紛争で危険に曝されている人たちを守ってきたこと、特にジャーナリズムや人権保護団体へのメディアとして人権侵害の危険にある人達のニーズに応えてきたことを誇りに思う」と語っている。
集団提訴は11月3日、5名の連名でサンフランシスコ地裁に提出され、「大量解雇には60日の事前通告を必要とする連邦法、及び州法に違反する」と記述しているが、通告なくツイッター使用を拒否された従業員もいると言う。
マスク氏がツイッターをどのように変革してゆくかに注目が集まっているが、関係者は現在のヘイト・スピーチと政治的偽情報を禁止する方針が緩められると懸念しており、NBCによれば、ある団体関係者は「ヘイト・スピーチや選挙結果の否定、陰謀を煽るサイトへ広告を載せるのは不道徳、かつ民主主義を破壊するものだ。広告主には掲載中止を求めてゆく」と述べた。
こうした批判に対し同社を440億ドルで買収し、絶対的な言論の自由を標榜するマスク氏は「買収以降、広告が急激に減少している。会社の方針については各界の忠告を拝聴してゆく」とツイッターで投稿した。
その後の報道では、「同社はアフリカ事業を重点的に整理する。昨年オープンのガーナ事務所での解雇では、12月4日までの賃金支払いと退職金なしが言い渡され、ガーナ法に定められた3か月ではなく1か月の事前通告となった。また同社のEメールによる最終解雇通告には、顧客や政府機関、銀行、取引先、及び会社同僚との接触を禁じる。他から接触があった場合は会社に通報することが命じられている」と伝えた。
他方、14日のNYT、WSJなどがアマゾン社のレイオフについて報じた。
パンデミックによる需要急増で過去2年間に従業員を倍増した同社だが、最近のパンデミック終息による売上げ低迷で米国での同社従業員の3%に当たる10,000人の削減計画を発表した。これは全世界の同社全従業員150万人の0.66%に当たる。同社は2001年にも15%のレイオフ、2018年に数百名の人員整理を経験している。
その他、フェイスブックの親会社、メタでも全従業員の13%に当たる11,000人、インターネット・タクシーのリフト社などもレイオフを発表しており、IT業界に人員整理が広がりつつある。