活動報告 各国の労働事情報告

2022年 カザフスタンの労働事情 (ユーラシアチーム)

2022年7月1日 報告

本報告は2022年6月27日~7月1日にJILAFが実施した招へいオンラインプログラム(アゼルバイジャン、ウズベキスタン、カザフスタン、ジョージア)における、ウズベキスタンの参加者から報告された「カザフスタンの労働事情」および、同提出関連資料に基づいて作成した。

カザフスタン労働組合連盟(FPRK)

  • 医療産業労働組合連盟(SENIM)  会長
  • コスタナイ地域労働組合連盟 会長
  • カラガンダ地域労働組合連盟 副会長

(1)国の規模感

・人口
 カザフスタンの人口は1877.7万人である。
・産業別人口構成
第1次産業 第2次産業 第3次産業
カザフスタン 16.3% 20.4% 63.3%
・国内総生産成長率(2021年)
 カザフスタン:-2.6%
・一人当たりの国民総所得
 カザフスタン:8820ドル

(2)報告事項

カラガンダ州の安全衛生を中心とした報告があった。カラガンダ州は、アスタナ(ヌル・スルタン)の南250kmに位置する州で、州としてはカザフスタン最大の面積を誇り、カザフ人44.68%、ロシア人39.17%とロシア人の比率が高い。2021年労働組合連盟のイニシアティブで、労働監査局と協力し、「2021年~2023年カラガンダ州の労働安全と保護の確保に関する安全作業」を作成した。これをベースに安全衛生の活動を進めてきた。労働安全衛生の検査官として訓練を受ける人々は毎年約1000人に上り、この訓練費用は労働組合が払っているとのことである。
2022年4月には労働安全衛生文化の構築をテーマに三者構成の円卓会議が開催された。労働組合連盟としては、労働法を次の点で改善する必要があるとしている。専門的な労働能力の発揮に際し、害を取り除くうえで適切なやり方の実施、労働災害が起こった場合、罪の水準を引き下げる事、過酷で危険な労働条件で働く労働者の定年の引き下げ、労働監督官の増員、中堅企業にある労働者評議会の役割の強化、などである。