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No.667(2022/4/26)
米スターバックスの労働組合、現在16店舗で結成

 4月8日のニューヨーク・タイムズ、スポークスマン・レビュー紙などが、「昨年8月の最初の労働組合結成以降、今月7日と8日、ニューヨーク州でさらに6店舗に組合が結成され、スターバックス直営店の労働組合は16店舗。数十年にわたる労働組合無しの歴史に幕が閉じられた」と報じた。
 これら店舗を束ねる労働組合は北米サービス労働組合(SEIU)傘下のワーカーズ・ユナイテッド(WU)で、カンザス州の店舗の投票も賛成6票、反対1票だったが、7票の異議申し立てがあり、最終的な結果は出ていない。しかし現在までの結成失敗は1店舗にとどまっており、それも上訴中である。

 労働組合結成は同社直営9,000店舗の中で、25州にわたる175店舗で行われており、来週には少なくとも3店舗で投票が行われる。先週のアマゾン社ニューヨーク・スタテン島物流センターでの労働組合結成と同様に、スターバックスでも労組結成に従業員の急速な関心が集まっている。
 全国労働関係委員会(NLRB)によると、現在までの過去6か月間の労働組合申請件数は前年同期に比べて50%以上の増加を見せていて、委員会の処理が追いつかない状況にあり、人員と資金の補充が急務と言われる。

 これに対し、スターバックス社では多くの管理職を動員して労働組合に入らないよう説得を続けているとされるが、かえって組織化への支持を活発化させたと言われる。
 WUによれば、会社は全国的に勤務時間を短縮して永年勤続従業員を退職させ、労働組合に馴染まない新人に置き換えようとしており、労組賛成の従業員を懲罰ないし解雇していると言われ、労働関係委員会も先月、アリゾナ州で2名の従業員に報復があったと認定した。これに対し会社は勤務時間の削減や人員削減は顧客の動向に即応したものであり、反労働組合活動ではないと主張している。

 こうした時期に会社は最近CEOを交代させたが、ケビン・ジョンソン前社長は株主から「反労働組合方針が会社評価を傷つける」と批判されていた。暫定的に社長に復帰したハワード・シュルツ氏は同社中興の祖であるが、一貫して反労組の立場をとり続けている。就任同日に、労働委員会指摘のアリゾナ州従業員を正式に解雇。当該女性が管理職との会話を録音・公表した後、解雇された。同社は、彼女に直接関係のない同僚の会話なども関係者の同意なしに録音したことを本人が認め、会社の規則違反に当たると発表した。組合側は従業員への報復だと、同社を提訴している。

 なお同社は昨年10月に、2022年の夏までに最低時給を15ドルに引き上げ、2年以上の勤続者には5%の昇給を実施すると発表している。

 さらに13日のウォールストリートジャーナルによれば、シュルツ社長は各店長あてに、「収益による自社株買い増しを従業員福祉と店舗改善に資金を注ぐ方針に転換すること。しかし労組店舗には団体協議が必要なため同時の待遇改善は出来ないこと。また壊れた設備改修にも労組の同意が必要なため即時対応が困難なこと。大半の従業員が労組反対と思われる中、労組結成が進行中の店舗において少数の声高な意見に支配されないよう全員投票を徹底すること。労組協定が一般会社規定を上回ることはないこと。」などのメッセージを出したとのことである。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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