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No.640(2021/9/23)
スターバックスに労働組合結成の動き

 ニューヨーク・タイムス紙、ガーディアン紙などが「ニューヨーク州の労働組合、Workers United (WU)が8月23日、スターバックス社のジョンソンCEOに宛てて、同社バッファロー地域の従業員が労働組合結成を宣言する書簡を送付した」と報じた。50人が労働組合結成に動いているが、成功すればコーヒー・チェーンでは初めての労働組合となる。

 労組結成発起人のアレクシス・リッゾさんは「同社で6年間働いている。会社は従業員をパートナーと呼んでいるが、我々の声を聞かない。数年にわたる慢性的人手不足で無秩序な労働環境や勤務時間に置かれ、病気休暇も取れない状況がパンデミック以来一層強まった。年次昇給もない。会社を愛する我々は会社の顔であり、顧客に何が良いのかも知っている。この店をより良いものにしたい」と語る。

 スターバックスは全米に8,000店を展開するが、常に労働組合には反対し、今月初めにはペンシルバニア州の判事が労組結成に動いた従業員2名の解雇を不当労働行為と判決したばかりである。

 ニューヨーク・タイムス紙は「バッファロー地域の3店の労働者が2週間以内の労働組合結成投票実施を全国労働関係委員会(NLRB)に申請した。労組結成には30%以上の署名が必要だが、半数以上の賛成があるとされる。労組申請は各店(20-30人)毎の労働組合を主張しているが、会社側は市単位ないし区域単位を主張している。同社は長年にわたり先進的なイメージを育ててきた。従業員の多くも会社の手厚い待遇やパート労働者への健康保険支給、アリゾナ州立大学のオンライン授業料支給を多としてきた。しかし他方では年功制度がなく、5年勤務者と新入社員の賃金にはほとんど変わらない等の不満がある。」と伝えている。

 バッファロー地域では労働組合結成宣言の後、従業員が会社上司から勤務中に「仕事についての意見交換」を呼びかけられた。会社広報は「良好な仕事の環境を作るためオープンで誠実な対話の機会を作る」としているが、幾人かの従業員は「脅しに過ぎない。ある従業員が問題点を述べたところ、マネージャーから冷たい言葉を浴びせられた」と述べている。
 こうして、WUは同社CEOへの書簡の中で「労働組合結成には聊かの脅しも控えること。また会社が勤務時間内に会合を持つときは、同様の機会を組合にも与えること。労働組合結成は会社成功のためであり、最善の仕事への真のパートナーシップを築く目的を持つ」とする8項目の要求を述べている。

 他方シカゴの雑誌、In these timesは「ファスト・フード業界においては、従業員の移り変わりの激しさや不安定な企業経営から、店ごとの労組結成は無理だとされてきた。15ドル運動が労組結成ではなく政治キャンペーンの様相を強くしたのもそのためだ。しかしスターバックス従業員は店ごとの労組結成を目指すと言い、この地域の20店舗に労組を作るという。しかし労組結成が公表された今、会社の報復が強まると心配する。数年前の同社時給15ドルも今や最低賃金に近いものになった状況の変化がある。」と記述している。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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