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No.587(2020/4/10)
ベトナムで新労働法成立、労組は歓迎

 インダストリオールニュース及びベトナムニュースは、ベトナム国民議会が2021年1月に施行される新しい労働法を可決したことを報じている。

 ベトナムにおける結社の自由の原則を受け入れる新しい労働法の可決について、インダストリオール・グローバル・ユニオン傘下のベトナム加盟労組は、望まれるレベルのものであるとし、労働者が職場で独立した労働組合を結成することを可能にすると評価している。

 新労働法の概要は以下のとおりです。

  1. 賃金は雇用者と従業員(労働組合)との交渉で決められ、その賃金は国の最低賃金政策に従わなければならない。
  2. 労働時間については、1週間48時間の現行規定を維持するとした上で、各企業に週40時間の実現を奨励する。(注)
     また、時間外労働については労働者の同意のもと時間を設定できるが1日の時間外労働は通常の労働時間の半分以下とする。時間外労働時間の上限は月40時間、年間200時間、但し、発電・配電、通信、製油、水道・下水道、繊維、衣服、履物、エレクトロニクスの各産業では年間300時間までとする。
     祝日は、建国記念日(9月2日)の祝日の日数を1日追加して2連休とする。現行の9月2日に加えて、年によって9月1日または9月3日を祝日とする。
  3. 定年退職年齢は、2021年から1年ごとに男性をプラス3ヵ月、女性をプラス4ヵ月と段階的に引き上げていき、2028年までに男性を現行の60歳から62歳に、2035年までに女性を現行の55歳から60歳にそれぞれ引き上げる。
  4. 人種、国籍、民族、性別、婚姻状況、妊娠、政治的見解、障害、HIVによるセクシャルハラスメントおよび職業差別の禁止。

 この労働法の改正について、ベトナム全国産業労働組合のトラン・クアン・ホイ会長は、次のとおり語った。「新労働法は非常に進歩的であり、労働組合が改革プロセスを強化する機会を提供し、労働組合の機能強化と労働者保護における役割を促進する」

 インダストリオール地域書記のアニー・アドヴィエントは、ILO条約87号「結社の自由及び団結権」にもとづくベトナムの労働法の大胆な決定を称賛し、言明した。「結社の自由の真の精神は、労働者が要らざる干渉なしに労働者を組織する自由を確保することです」

(注)
 ベトナムの労働傷病兵社会省の報告によると、現在ベトナムでは週48時間制の企業が89.6%と大半を占めており、44時間制は3.6%、40時間制は6.8%にとどまる。東南アジア諸国連合(ASEAN)域内ではほとんどの国が48時間制をとっている。経済面で見ると、48時間制から44時間制にした場合、人件費は17%増加し、輸出額は1年当たり約200億USD(約2兆1900億円)減少すると試算されている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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