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No.579(2020/2/7)
インドネシアの新法案が労働者の福祉を破壊する恐れ

 インダストリオールニュースによると、インドネシアの新法案について労働者が激しく反対している。

 2020年1月15日インドネシアの労働組合運動は、提案された雇用創出に関する新法案が近い将来労働者の福祉を破壊する恐れがあり、激しく反対している。全国的な抗議行動が今月後半に予定されており、問題のある法案の廃止を求めている。

 2019年10月、インドネシア大統領ジョコ・ウィドドは、外国直接投資を誘致し、経済成長を促し、雇用機会を創出することを主な目的として、雇用創出と税制に関する2つの関連法案(オムニバス法案)を提案した。この2つの法案は、合計82のインドネシア法と1,194の条項を修正するものだ。
 
 インドネシア統一労働者連盟(KPBI)*訳注、インドネシア福祉労働総連合(KSBSI)およびインドネシア労働組合総連合(KSPI)は、この法案は労働者の権利と利益を侵害するとして非難している。最も論争の的になっている問題は、雇用主が負担する退職金制度を廃止し、労働の柔軟性を高め、雇用主に対する刑事制裁を廃止することだ。

 KSPIとインドネシア金属労働組合連合(FSPMI)のサイード・イクバル会長は、週35時間未満で働く人の最低賃金制度を時給制に改定することは、インフォーマル経済を増幅させ、労働者を貧しくすると述べ、更にイクバル会長は、労働者が病気休暇や宗教上の義務を履行することにより月給の最低賃金を失う可能性があることを懸念している。

 「私たちは、失業給付を6カ月間に制限するという提案に強く反対します。現在の法律では、労働者は最大で9カ月、場合によっては18カ月の退職金を受け取り、その上労働者は最大で10カ月のサービス料を受け取ることができます。これらの利点はすべてなくなります」とイクバル会長は言明した。

 「政府は、法案の起草中に労働組合に相談したうえで、退職金の支払い、規定の5つの作業分野から労働アウトソーシングの範囲を拡大し、最低賃金を支払わなかった雇用主に対する刑事制裁を廃止するなど労働者に不利な規定を削除することを要求します」とKSBSIのイリィロジータシラバン会長は語った。

 イリィロジータシラバン会長は、いくつかの重大な問題によりKSBSIが労働法の改正を支持していることを付け加えた。例えば、労働監査力の弱体、賃金、年金、社会保障プログラムに関する物議を醸す問題は未解決だ。オムニバス法案は、労働者が直面している問題に対処するのではなく、投資家に有利に起草された。

 KPBI、KSBSI、およびKSPIは、1月15日と20日に全国的な抗議活動のために労働者を動員した。

訳注:インドネシア統一労働者連盟(Konfederasi Persatuan Buruh Indonesia:KPBI)

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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