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No.568(2019/10/15)
インド縫製労働者、厳しい最賃の闘い

 カルナタカ州政府の最低賃金実施の長期遅延に対し、9月12日にバンガロールで大規模な抗議行動が引き起こされた。とインダストリオールニュースは報じている。

 2018年2月、カルナタカ州政府により月8,346ルピー(117米ドル)から12,250ルピー(171米ドル)へ最低賃金改定が提案されたが、経営者側からの激しいロビー活動で、1ヵか月以内に撤回され、衣料労働者の欲求不満は、増大している。それ以来、進展はなく、85%が女性である35万人以上の衣服労働者が政府の不作為のためにお金を失っている。

 一方、政府は、73の定時雇用の最低賃金の改定を発表したが、衣料産業の労働者は除外されている。

 インダストリオール南アジア地域書記のアポオルヴァ・カイワールは次のように述べている。
 「私たちは、カルナタカ州の女性衣料労働者の福祉に対するコミットメントの欠如に失望しています。政府は、遅滞なく最低賃金の公正な改定を発表すべきです」

 衣料労働組合(GATWU)のプラチブハ会長は次のように述べている。

 「カルナタカ州の衣服労働者は、大きな困難に直面しています。賃金引き上げを遅らせることは、インド女性の社会的地位向上を促進する方法ではありません。撤回された提案の後、誰が損失を補償しますか?賃金改定の実施の遅れは賃金の盗難であり、労働者を貧困に追い込んでいます。政府が賃金改定を直ちに発表し、実施することを要求します」

 GATWUは、政府が最低賃金の計算に食料と衣類、家賃、電気代、そして水道料金、子供の教育、医療保険代を取り入れること、および家族の基準を3人家族から5人家族に引き上げることを要求している。

 GATWUの計算によると、労働者は尊厳ある生活を送るためには、少なくとも月に24,000ルピー(336米ドル)が必要で、適切な生活賃金が確立されるまで、衣料労働者の最低賃金は他の定時雇用者並みの少なくとも11,557ルピー(162米ドル)が必要であると主張している。

 カルナタカ州の衣料産業は、インドの衣料輸出の約20%と貢献している。H&M、Inditex、Walmart、Old Navy、JC Penny、Target、Kholsを含む主要ブランドの多くは、カルナタカ州の縫製工場から供給している。

 以上、インダストリオールニュースが報じているが、インド経済は世界経済の減速、最近の原油価格の高騰、そして米中の貿易戦争の影響で減速し(これまでの8%→5%へ)、自動車販売は8月に32%急落し、20年間で最大の減少となっている。自動車メーカーは、100万人のレイオフを警告している。失業率は8.4%に上昇している。カルナタカ州の縫製業も隣国のバングラデッシュの最低賃金が約100ドルであることを考えると、厳しい状況だ。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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