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No.565(2019/10/4)
日韓関係が現代自動車労使関係に影響

 前号(564)号で現代自動車のスト無し賃上げに触れたが、アジア・タイムズ紙(8月29日付)によれば、今年は日韓関係が悪化したことでスト無しで妥結したと以下のように報じている。

 現代自動車は、8年ぶりに年次ストライキを回避し、労働組合と暫定的な賃金協定を結んだ。韓国現代自動車労働組合は、繰り返される毎年のストに対する批判にもかかわらず、1987年に組織されて以来、4年間を除き、毎年ストライキを続けてきた。「今年の合意は、日本の輸出規制の強化によって引き起こされた国家危機を考慮して、経営陣と組合が年中行事化しているストライキを止め暫定的な合意を引き出したので、それなりに意味がある」と現代自動車は語っている。

 現代自動車労働組合も彼らが賃金協定に合意したとき、声明の中で、「米中貿易紛争と韓国の経済減速に起因する世界的な低迷する自動車需要を考慮した」と言い、日韓貿易紛争を考慮に入れたと強調した。

 日本政府は、半導体材料の輸出に関する規制強化に続いて、貿易で優遇する「ホワイトリスト」から韓国を削除した。韓国が日本から輸入する約1,100品目は、より厳しい輸出規制の対象となるもようだ。

 現代自動車労使暫定合意に基づき、基本給の1.74%増のほか、300万ウォン(27万円)+月給の150%の一時金、年功序列賃金部分による一時金2~600万(54万円)ウォンが支給されることになる。

 暫定的な合意は来週の投票で組合員の承認を必要とする。(注、投票で承認された)業界アナリストは、この合意を以下のごとく評価している。

 「ストライキなしで合意に達したのは異例であり、これは現代自動車にとってポジティブだ」とNHインベストメント・アンド・セキュリティーズの自動車セクターアナリスト、チョ・ソホンはアジア・タイムズ紙(8月29日付)に語り、また「これまで定期的な支給に関し法的に問題があり、ストライキを引き起こしてきた。この合意により、ストライキのリスクが軽減された」

 基本給の1.74%の引き上げは、2009年以来最も低い。しかし、チョ・ソホン氏は、「ヒュンダイの今年の賃金増は全体的に見て、一回限りの支給部分があるため、昨年よりわずかに高くなると予想されるが、弱いウォンのため、会社は収益性を維持可能だ。ヒュンダイは今年4.2兆ウォンの営業利益を計上すると予想していた。この賃金協定のために私の見解を変える理由は見当たらない」と言明している。
現代自動車は今年上半期に約2兆ウォンの営業利益を計上した。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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