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No.555(2019/8/2)
東南アジアの繊維、衣服、靴、皮革分野の労働組合がネットワークを構築

 2019年7月15日、東南アジア7ヵ国のインダストリオールグローバルユニオン加盟組織の労働組合リーダーは、妨害行為に屈せず、ネットワークを構築し、組織拡大へと決意を固めた。

 カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナムから60人の労組代表が7月4日と5日にミャンマーのヤンゴンに集まり、インダストリオールの地域の繊維、衣服、靴、皮革(TGSL)分野のサプライチェーン組織化会議を開催した。

 カンボジアの加盟組織は、サプライチェーンの組織化に取り組んだ時、これを妨害するため、組合指導者の解雇を含む雇用主が使用した不当な戦術を非難した。

 全国産業労働組合連合(SPN)のネンデン・ヒラワティ氏は、インドネシアの雇用主も労働組合に対して同様に敵対的であるとし、雇用主はしばしば労働組合の組織化努力を脅かすために暴力団を雇うと語った。また、労働者は工場が閉鎖され、他の地域に移転するのではと恐れていたと付け加えた。

 これらのことにもかかわらず、加盟組合は、サプライチェーンにおける労働者の力を築くことに成功したと強調した。
 労組指導者は、雇用主との直接交渉はもちろん、グローバルブランドの支援による調停、ILO条約の使用など、障害を克服するためのさまざまな組織化戦略をこの会議で共有した。

 「アウトソーシングはTGSL部門では一般的な現象です。インダストリオールがサプライチェーンで労使関係を構築するための4つの重要な戦略を持っているのはそのためだ。我々は加盟組合間のネットワークを築き、そして組織化をサポートする。」と、インダストリオールの繊維・衣料産業担当ディレクター、クリスティーナ・ハジャゴスクラウセン氏は、述べている。

 また、クリスティーナ氏は、衣料品および履物部門における責任あるサプライチェーン各社がOECDのデューデリジェンスガイダンス(多国籍行動基準の実施状況と自己査定)に沿うこと、また、ブランド各社が責任を負うべきブランド価値に対して、インダストリオール加盟組合も積極的に関与可能だと説明した。
 また労働組合は、グローバルな枠組み協定を使いブランド各社との関係を築き、サプライヤー企業内の紛争を解決する必要もあると述べた。

 サプライチェーン全体に労働組合の力を築くためのもう1つの重要な戦略は、労働組合ネットワークの創設で、この会議では、Coats(英国ブランド)とBirla(インドのブランド)のネットワークのための最初の東南アジアネットワークの集まりも開催された。これらのネットワークを地域的にそして世界的に拡大するために更なるステップがこれから採られるであろう。

 「現在、インダストリオールはこの地域で毎年10回の組合ネットワーク会議を開催しており、多くの成功例がある。各国組合の連帯で、地域の加盟組合は賃金構造、安全衛生課題、そして経営者との交渉戦略などの有益な情報を共有することが出来る。」と、インダストリオール東南アジア地域書記長、アニー・アドビエント氏は、述べている。

 さらにこの会議では、どうしたらファッション・レボリューション注を使うか、衣料分野での持続可能性と労働条件改善の運動、グローバルなサプライチェーンにおける組合の認知度を高めるにはといった発表も行われた。

注:バングラデシュにおいて1,000人以上もの労働者が亡くなった「ラナプラザ事件」を発端として、一人ひとりが着ている服・ファッションについて、人権のこと、環境のこと等、倫理的なライフスタイルとして考え行動することで、ファッション産業の構造を変え、地球課題を解決するという国際的キャンペーン。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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