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No.542(2019/5/20)
メキシコの労働法改正で労働組合民主主義へ前進

 4月29日、メキシコ上院は11日に下院で可決された新しい労働法案を承認した。組合の民主主義を推進する一歩になるが、派遣労働者問題等重要な問題をまだ残しており、全てではない。
 新法は労使関係の全面的な見直しを表しており、労働者に労働正義へのより良いアクセスと結社の自由をもたらす。新法はまた民主的な組合を結成することをより容易にすることになる。
 改革の下では、労働者はどの組合に加入するか自由に選ぶことができ、各自の、秘密直接投票を通じて自由に組合の指導者を選ぶことができることになる。
 何年もの間、選挙の際、投票は挙手によりなされてきた。これは、労働者はしばしば、腐敗した雇用者寄りの組合指導者の前で挙手投票することを余儀なくされた。これは労働者に大きなプレッシャーをかけ、自由に自分たちのリーダーを選出することを妨げた。

 これからは労働協約が起草される時と、2年ごとに行われる再交渉時に、労働者は審議に参加することになる。これには、個人の自由で秘密の投票も含まれ、いわゆる雇用主保護契約を廃止するのに寄与するだろう。

 さらに、調停および労働組合登録のための連邦事務所が設立される予定で、すべての労働協約とすべての労働組合の国家登録簿を管理することを任務とする。

 長年にわたり、連邦政府、雇用主および腐敗した組合は調停および仲裁委員会を利用して、どの組合を登録簿に含めるべきかを決定してきた。その結果、政治的および経済的利益が労働者の利益よりも優先されてきた。これらの委員会は現在、司法部門内の労働審判所に置き換えられ、訴訟手続きはより短く、より開かれ、より効率的になるだろう。

 それにもかかわらず、労働改革は、メキシコの労働者にとって極めて重要な特定の問題を考慮に入れていないため、労働組合内で多くの議論の対象となってきた。特に、労働者とその権利にとって特に問題となる派遣労働、請負生産等のアウトソーシングに関する条項への修正はなされてない。

 インダストリオールの加盟組織であるロス・ミネロスのリーダーであり、インダストリオールの地域共同議長を務めるメキシコ上院議員のナポレオン・ゴメスによれば、上院は経済界や労働組合のリーダー、弁護士、専門家と協議してこれらの未解決の問題を検討するとのことだ。

 「これはメキシコの労働組合運動に民主主義をもたらす大きな機会であることを世界中の加盟組織に強調したい。この改革によって、すべての労働協約が労働者の投票によってなされ、悪弊だった雇用者保護協定を設定することは事実上不可能になるだろう」とインダストリオールグローバルユニオンの書記長、ヴァルター・サンチェス氏は述べた。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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