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No.540(2019/4/26)
AFL-CIOとSEIUに職員のストライキ

 3月18日のウォールストリート・ジャーナル紙編集部(Editorial board)は「労働組合が組合員を搾取か?」と題する、次のような評論(Review)を掲載した。要旨は以下のとおりである。

 サービス従業員国際労働組合(SEIU組合員数約200万人)に働く職員には、2つの組合、つまり労働組合代表の組合(UUR)と事務専門職従業員国際労組(OPEIU)がある。先週、そのOPEIUが協約交渉を不満として、組合員の92%の賛成を得てスト権を確立、現在調停中である。
 苦情の内容はUURがOPEIUから組合員を争奪していること、そしてSEIUによる業務の外部委託である。
 これに対しSEIUは『外部委託は新規採用者の部分に限定しており、現役職員の仕事は確保している』と説明している。

 また、SEIUは2015年に“マクドナルドの最低賃金15ドル実現への戦い”に従事するオルグから『私たちには15ドルの時給も払われていない。自分達の組合も結成できない」との不満が申し入れられたが、SEIUは『彼らはSEIU従業員ではない』と説明した。そして、UURからも「SEIUから反労働組合的言動が起きている」との不満があがった。

 アメリカ労働総同盟・産別会議(AFL-CIO)についても昨年10月、会計士や清掃人を組織するOPEIUがスト権を確立して、全国労働関係委員会(NLRB)に不公平待遇を提訴しており、今年1月には51名の職員から『一方的レイオフの懸念がある』とする提訴がなされている。

 指摘したいのは、OPEIUとUURの両労組の職員等が公正な処遇を受けているのか?AFL-CIOやSEIUという労働組合代表の組合に対し交渉をする人たちを守る労働組合が必要なのではないか?

 以上がウォールストリート紙の評論の要旨だが、同紙は労働組合に批判的で、産業界を代弁する新聞として知られており、今回も労働組合内部の労使紛争を批判的にとらえて、揶揄している感が強い。
 労働組合に雇用される職員にも当然に労使関係が発生する。職員たちは賃金労働条件などについて要求する権利、団体交渉の権利を持つ。
 今回の評論は労働組合の中の労使紛争に奇異な感を抱き、それを批判的に論評したものと思われる。
 なお、「マクドナルドの最低賃金15ドル実現への戦いに従事するオルグが15ドルを支払われていない」との記述も、SEIUが直接動員したオルグなのかどうか、評論に丁寧な説明が必要に感じる。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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