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No.539(2019/4/22)
インドで船舶解体労働者の安全教育センター開設

 南アジアに多い船舶解体ヤードは最も危険な職場とされ、その対策が国連からも要請されている。その解体作業の訓練センターがインドで開所した。とインダストリオールニュースは3月 25 日報じている。何かと労使紛争が多いインドで政労使が協力して教育訓練センターを開設したことは特筆に値する。

 インダストリオールに加盟している、アランソシヤ船舶リサイクル一般労働組合(ASSRGWA) は、トレーニング センター第二フェーズをオープンし、インダストリオールとオランダ労組FNV のサポートを得て、3月13-16日、トレーナー プログラムの訓練を開催した。
 船舶解体業の多い南アジア地域で、持続可能な船舶のリサイクルに関し、船舶解体労働者の安全教育訓練トレーニング センターが発足したことは意義のあることで、発足にあたって、ハインド・マズドア・サバ 訓練センター事務局長のハーブハジャン シン シドゥは次のように語った。「ASSRGWAは殆ど移民労働者と不安定労働者が占め、世界で最も脆弱な船舶解体労働者の職業生活を改善するため多大な功績をしている」

 インダストリオール、造船・船舶解体部門部長の松崎寛は次のようにコメントした。
 「トレーニング センターは南アジア地域での船舶解体労働者のより良い環境をサポートするため、造船、船員、船舶解体の分野での労組が団結した重要な成果です。ASSRGWA の努力が地域全体の各国組合を刺激し、環境整備と労働者の権利促進へ見習って欲しい」

 V. V. レーン、ASSRGWA の事務総長は語った。
 「私達は船舶解体経営者、政府の代表者、必要とする多くの協力をいただいたグジャラート州海事ボードを含むすべての利害関係者に感謝いたします。ASSRGWA の取り組み強化に重要な役割を果たし、一貫して支援していただいたインダストリオールとFNVの協力を強調したい」?

 3月13日のS.K.シティASSRGWA委員長が主催した発足式には、350 人以上の船舶解体労働者が参加した。さらにアプーバ・カイワルインダストリオール南アジア地域事務所長、雇用者代表者、政府高官も陪席した。

 その後、FNVからの専門家が各船舶リサイクル会社が指名した24名の参加者に対し、トレーナーズプログラムのトレーニングを行った。
 安全かつ持続可能な船舶リサイクルのためのプログラムは広範囲で、情報伝達、監視、カラーコード、アスベストの安全な取り扱い、個人用保護具の適切な使用、騒音公害からの安全性確保、事故防止へ原因と理解、ワイヤー ロープ、各用具とシャックルの安全な使用法などである。

 4月2日のインダストリオールニュースは船舶解体業に関し、以下報じている。
 2016年11月のパキスタンのガダニヤードでの爆発のような、燃料タンクから残った燃料を掃除する前に労働者が船の解体を始めなければならなかったために起きた事故災害を防ぐため、国連の海運機関である国際海事機関(International Maritime Organization)が作成した「安全なリサイクルと環境に配慮した船舶の条約」(香港条約)の批准を解体現場の多いインド、パキスタン、中国などに批准するよう要請してきた。
 日本は世界で香港条約を批准した10番目の国、そしてアジアで最初の国となり、批准促進に寄与する。結果、ベルギー、デンマーク、フランス、日本、オランダ、ノルウェー、パナマ、コンゴ共和国、セルビア共和国、トルコが批准国となった。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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