バックナンバー

No.531(2019/2/1)
ロサンゼルス教員労組がストライキ

 米国第2の大きな学校区(生徒数約64万人)のロサンゼルスで1月14日から教員組合(名称:United Teachers 、組合員数3万3千名)によるストライキが起きている。1月16日のウオールストリート・ジャーナルは論説(commentary)で同教員組合のサックス副議長による“ストライキは生徒のため”と題する投稿を載せた。その要旨は次のとおりである。

 教員組合の苦情はクラス人員の定員オーバー、80%の学校における看護師不足※注1、図書係と生徒相談員の不足などにある。クラス定員は労働協約に決められた定員が予算不足を理由に数年間無視されてきたが、実態は違う。予算不足の説明にもかかわらず期末の繰越金は予算の4倍以上と言う経過を5年間繰り返してきた。クラスサイズを2008年レベルに下げるには準備金の33分の1で済むのにそれをしない。
 賃上げについても組合は3年協約に7%を要求した。この金額は2008年からの実質賃金以下にもかかわらず、学校区の当初回答はゼロであり、17か月の交渉の後にようやく6%までを承諾した。
 教員組合は過去3年間ストライキをしないことを貫いてきたが、労働協約は期限切れから既に18カ月を経過した。ストライキは誰の利益にならないという者もいるが、このストライキは生徒の将来のための闘いである。

 以上が要旨だが、米国における教員ストは昨年初めから共和党色の強い米国中南部の各州を中心に発生した。それは共和党優勢の議会による強い緊縮策により賃金凍結と教育予算の削減が続いたためである。これに対し米国西海岸の諸州は比較的財政にゆとりがある州も多く、民主党議会優勢の背景もあって、穏やかな労使関係が続いてきた。
 しかし今回のロサンゼルス教員組合のケースはクラス定員などの教育体制に対する要求が強い。1月2日のカリフォルニア・オレンジ・カウンティ・レジスター・ニュースの論説には「教員組合は6%賃上げに受け入れ姿勢があるものの、クラス定員、教職員の増員、それにチャーター・スクール(私営の公立学校)廃止を強く要求している。」と指摘しつつ、「最近の最高裁による組合費の強制徴収禁止という事態の中で、ストライキ中は給与を中断される教師たちがどこまで組合支持を続けられるのか」と懸念する記事が見られる。

※注1:アメリカの公立学校における生徒の健康管理は、地域の自治体によりその取り組みは様々であるが、保健室などに看護師が常駐または巡回し、専任で医療業務に当たっている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.