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No.521(2018/11/9)
多国籍企業の労使紛争防止へグローバル枠組み協定という方法

 インダストリオールの主たる労使紛争防止政策としてかねてより、多国籍企業との間で全世界のサプライチェーン企業を含むグローバル・フレームワーク・アグリーメント(以下「GFA」)を結ぶことを推奨している。
 10月12日にはドイツ企業とのGFA更新を果たした。

 インダストリオールは、ドイツの自動車部品および防衛品生産企業レインメタルとのGFAを更新し、強化した。この合意は、2018年10月12日にデュッセルドルフの本社で締結された。同契約は、同社のグローバルサプライチェーンにおける労働者および労働組合の保護を基本としている。

 インダストリオールは同協定の平等なパートナーであり、以下のような改善がなされた。

  • ☆反差別や反暴力を強調
  • ☆協定の履行および尊重へ経営陣の責任を強調
  • ☆雇用の持続に関する新しい章の挿入
  • ☆組合組織化のキャンペーンに対し会社の中立性に関する新しい条項

 レインメタル欧州協議会とインダストリオール加盟のドイツIGメタルは、2年以上前からGFAの再交渉を開始しており、昨年、インダストリオールとの集中交渉も行われた。

 新しい合意では、インダストリオールとレインメタルは今後数年間協力を強化することを約束している。

 サンチェスインダストリオール書記長は次のように述べている。
 「レインメタルとのGFAの更新は労使間の関係を深め、レインメタルの高い社会的基準が世界中のすべての工場で、そしてサプライチェーン全体で確実に守られるようになる」

 レインメタルは125年以上の歴史を持ち、24,000人の従業員を抱えている。2017年には約60億ユーロの売り上げを達成し、ドイツで39カ所、ヨーロッパで39カ国(ドイツを除く)、アメリカ大陸で13カ国、アジアで17カ国、アフリカで6カ国、オーストラリアで3カ国に拠点を置いている。レインメタルとの最初のGAFは2003年に署名された。

<最近インダストリオールとGFAを締結したその他の例>

 2018年6月、ロシアに本拠を置く10万人以上を雇用している最大規模の石油・ガス企業ルクオイルと新たなGFAを更新した。GFAは、ルクオイルの従業員の利益を保護し、労働組合の権利、労働安全、環境保護の基準を設定し、世界中のすべての事業所で共通の労働条件を作り出す。両当事者は、世界人権宣言、多国籍企業のためのOECDガイドライン、多国籍企業および社会政策に関する三国間宣言、国連グローバル・コンパクト、国連事業および事業に関する指針を遵守することを誓っている。

ノルウェーのNorsk Hydro
 2011年3月にGFAが締結され、2016年9月に更新された。

イタリアのENI(石油・ガス企業)
 2002年にGFAが協定され、2004年、2009年、そして2016年に更新された。同社は65ヵ国33000人を雇用している。その中にはアルジェリア、アンゴラ、コンゴ、エジプト、ガーナ、リビア、モザンビーク、ナイジェリア、カザフスタンといった新興国が含まれている。

スエーデンのブランドH&M(エイチ・アンド・エム ヘネス・アンド・マウリッツ)
 インダストリオールはスエーデンIFメタルと伴に2015年にH&MとGAFを締結し、世界でのサプライチェーン企業に働く160万人の従業員を保護することになった。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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