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No.518(2018/10/5)
ナポレオン・ゴメス・ウルティアの帰還

 7月1日にメキシコ大統領に選出されたロペス・オブラドールは、すべての労働組合の自主性を尊重し、労働組合の民主化と労働者の権利を促進するために政府が動くことを選挙運動中に宣言した。その後の動きは先ず7月13日、自動車産業25000人以上の労働者を代表する10の組織が、民主主義にもとづきかつ独立した労組連合の創設を発表した。そして12年間、カナダに避難していたロス・ミネロス労組の指導者ナポレオンがメキシコに帰国したことをインダストリオール・ニュースは報じている。

 カナダでの自主亡命12年を経て、ロス・ミネロス労組の指導者、ナポレオン・ゴメス・ウルティアは帰国し、オブラドール新大統領の国家再生運動(モレナ)上院議員として新しい役割を担うことになる。以下ナポレオン・ゴメス氏へのインタビュー

Q: あなたの帰還は、民主主義の戦いの中で独立した労働組合の勝利、そして労働組合権のための正しいステップと捉えていますか?
A: そのとおりで、民主主義のための戦いで、私たちは本当の勝利をおさめたのです。そして、それはロス・ミネロスの労働者のためだけの勝利ではなく、メキシコ、ラテンアメリカおよび世界全体にわたる労働者階級の勝利です。
 私たちは、政治的迫害と卑劣な攻撃に12年間耐え、尊厳をもって反撃してきたことを非常に誇りに思っています。今、私たちは、企業や政府との腐敗した協調によって損なわれた結社の自由と民主主義を復元し、労働者の権利のために努力する必要があります。
Q: 上院議員当選者として、あなたは労働者の権利を回復するために何をしますか?
A: 私が就任した瞬間から、私はこの国の労働政策を変更するために戦うことになります。彼らは国内企業と多国籍企業の利益を第一に置くので、労働者は搾取されてきました。
 我々は、雇用法を改定し、労働者が尊厳を持って働け、権利が尊重され、公正な賃金を受け取ることを確認する新しい国家の労働政策を策定しようとしています。
 私たちは、違法に決められた団体協約に終止符を打つ必要があります。また、より民主的に、より自由に、より公平な労働市場へと改革することも含まれます。
 また、北米自由貿易協定が、米国、カナダ、メキシコの労働者の雇用の権利を認識し、保護することを保証するよう一歩進めます。
私たちは、労働者階級の幸福が確保される未来を構築するのに役立つ真の変化を追求します。
Q: あなたは、メキシコ政府が鉱山における安全衛生に関するILO条約第176号を批准すると思いますか?
A: それは私の目的の一つで、それを実現することが上院議員としての私の責任です。私たちは内から変化する必要があり、私は条約批准に政府に圧力をかけるつもりです。 それは本当に重要です。 鉱山会社は、まだ彼らの従業員を実に耐え難い条件下働かせています。我が国の労働者はどこでどのような労働をするにしても、健康や命を危険にさらすようなことがあってはいけない。
Q: 記者会見で、あなたはパスタ・デ・コンチョス鉱山再開時での致命的な爆発の調査をすると述べました。あなたはあの恐ろしい悲劇の正しい原因を得ることができると思いますか?
A: 私は、最初からグルポ・メキシコが産業的殺人を犯したと言ってきました。私たちの3つの要求は、次のとおりです。爆発の際に命を失った労働者の遺体を取り戻す。遺族はまともなかつ公正な補償を受ける。そして、悲劇の原因を再調査特定して、過失を犯した人達を裁判にかけることです。
 私はアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールの新政府は、これらの要求を支持してくれると思います。
Q: 今、女性が初めてメキシコの内閣の50パーセントを占めています。あなたはそれが重要なステップだと思いますか?そして、労働・社会福祉大臣に31歳のルイサ・マリア・アルカルデが就任しましたがどう思われますか?
A: 私は本当に素晴らしいことだと思います。私はいつも製造業や政治そして組合活動への女性の参加を支援し擁護してきました。私の妻、オラリアは、その点で素晴らしい同僚となっており、共にメキシコの「鋼鉄の女」といったグループを形成してきました。ロス・ミネロスの同僚はまた、これらの展開について非常に満足しています。
 アルカルデは非常に賢明でよく準備してきました。私は彼女が労働・社会福祉大臣として私たちと充分コミュニケーションをとり、政府と議会での我々が進める議案提出への取り組みでもお互いに尊重した対話を実現すべく主たる役割を果たしてくれると思います。
 私たちは成功すると確信しています。私たちは労働者階級とより広範な人民両方の幸福と繁栄を強化する新たな社会を築くために一緒に前進できると期待しています。
発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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